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平成18年5月号 第226回

全剣連会長  武安義光

  地球の回転に従う暦の進みは正確で、待ちわびていた九段周辺の花時は去り、葉桜の時期になりました。進学した人、社会に出たフレッシュマンが醸し出す、若々しい空気が感じられるこの頃です。全剣連も大会、講習などのプログラムに本腰を入れ取り組みます。

東西での中央講習会から新年度の事業が始まる

  中央講習会の名で行われますが、受講機会を増やすこと、受講者の便、経費使用の効率化などを考慮して、14年前から東京と神戸に参集を願って開催し、日程も4月初頭に繰り上げ期間も2日に収め実施しています。この講習会、これまで伝達講習と呼ばれ、全剣連の研究結果、見解を各剣連に伝達し、さらに各地に伝達して貰う、上意下達の色彩の濃い講習に性格づけてきました。


  もちろん全剣連が行う2月の剣道研究会で研究された問題点を、各専門委員会で整理して視点として纏めたものを含めた講習を行い、各地から参加した受講者に伝える内容はあります。この講習は各地区代表者の指導力を高め、各剣連が計画し実行する講習、指導活動の質を高めることを主目的とするものと位置づけるべきでしょう。


  今回は東京、夢の島・東京スポーツ文化館(通称ぶんぶ)での東日本講習会に71名、また神戸市中央体育館での西日本講習会には54名の参加者が集い講習を行いました。今年は1名の欠席者もなく、熱心に受講、研究されました。それぞれの地に帰られて剣連活動の中核として役割を果たされることを期待します。

学校休暇期の大会いずれも活発に行われる

  春休みに行われる大会として、まず第15回を数える高体連と共催の全国高等学校剣道選抜大会が、毎年場所は愛知県春日井市総合体育館、期日は3月27、28日と決められています。今年の大会では九州勢の勢いが目立ち、男子は九州学院高校、女子は八代白百合学園高校が優勝しました。


  これに続く高校生の大会として、3月29日から3日間秋田市で行われる魁星旗争奪全国高校勝抜剣道大会があります。これは秋田魁新報社が先鞭をつけて始め、35回の歴史を重ねています。全国からの参加により、5人の勝ち抜き試合で優勝を争う大会で、今年は男子230、女子157チームが参加し、白熱戦を展開の上桐蔭学園高校、土浦湖北高校がそれぞれ優勝しました。


  いずれの大会も剣士の気力、技術には見るべきものがありましたが、勝負にこだわり過ぎる試合運び、鍔競り合いの在り方などに不満足の点が多かったとの全剣連幹部の所見をお伝えしておきます。


  次に戦後の長い歴史を持ち、本年第47回目を数える水戸東武館主催の全国選抜少年剣道錬成大会が、茨城県武道館に3月25、26の両日、全国から403チーム、2千名の少年剣士を集め開催されました。最優秀賞は奈良県十津川剣道クラブが得ました。これらの剣士が日本社会と剣道界を支えるよう立派に成人されることを念じるものです。

新年度予算決まる

 平成18年度収支予算は、事業計画と同じ3月14日の会議で決定されました。一般会計の単年度収支を見ると、収入5億8千9百万円に対し、支出は6億2千9百万円で、4千万円の支出超過になり、この分を前年度繰り越し金で賄う赤字予算です。これは重要事業を推進するためのものですが、事業の効率的運営、経費節約に留意しつつ成果を挙げていくことを目指します。

大阪・京都での諸行事準備整う

  ゴールデンウィークの行事は、すでにお知らせしているように、祭日の4月29日の「第54回全日本都道府県対抗剣道優勝大会」に始まります。各剣連の総力を競う大会に、多数の観戦者の期待に応える熱戦が展開されることを確信しています。続く30日からの「剣道六、七、八段審査」は西京極に舞台を移して行われますが、難関の八段審査は、昨秋を上回る1,374名の受審者が合格を目指して挑戦されます。


  「第102回全日本剣道演武大会」は、各種武道、杖道、居合道演武により、剣道八段審査と同日の2日に開幕し、翌日から3日間剣道の演武が続きます。今年の参加者は昨年とほぼ同数の3,075名です。全国から集う高段者で、武徳殿一帯は例年のように賑わうことでしょう。武道具製作実演は「剣道用具の保守・管理」を行う予定です。


  5日の八段、範士の立ち会いで演武大会を終え、6日午前の「称号審査」で一連の行事の幕を閉じます。参加者、主催者側の担当者などのご尽力により新しい日程が、順調に終え、高いレベルの演武が発揮される場となるとともに、全国剣道人の交流の場としての実が上がることを念願します。

「剣道指導の心構え」長期構想企画会議で纏まる

  前号で経過を説明しましたが、長期構想企画会議で成案を目指した「指導の心構え」は、検討を進め最終案に近い成案を得て、理事会に提出の後、新年度の『講習会資料』に掲載し、披露することにしました。先月号に触れましたが、3項目に整理された内容を記載しておきます。


1.(竹刀の本意) 剣道の正しい伝承と発展のために、剣の理法に基づく竹刀の扱い方の指導に努める。
2.(礼 法) 相手の人格を尊重し、心豊かな人間の育成のために礼法を守る指導に努める。
3.(生涯剣道) ともに剣道を学び、常に健康と安全に留意して生涯にわたる人間形成の道を見出す指導に努める。


  この文章は今後語句を練った上長期構想企画会議において決定し会長に報告されますが、全剣連の所要の手順を経て最終決定に持ち込む予定です。

情報保護法施行に対応して個人情報保護規程を制定

  個人情報の悪用を防ぐために保護を適切に行うことの必要性が高まり、政府において「個人情報保護法」が制定され昨年4月に施行されました。これは国内全般に適用されるものであり、これを受けて、全剣連ならびに加盟団体は、個人情報取扱事業者として、個人情報保護のための措置を明確にする必要が生じました。


  このことに関して全剣連は、すでに各剣連に措置の内容について理解を求めてきておりましたが、このたび「個人情報保護に関する方針」、ならびに「個人情報保護規程」を3月の評議員会、理事会に付議し、その決定を受けて平成18年4月1日施行しました。
内容の紹介は別に譲りますが、この機会に全剣連の審査に関する個人情報の扱いに触れておきます。


  審査情報については過去において過度に秘密、秘匿されてきていました。審査が個人の剣道奨励に大きな役割をもつものであることに鑑み、一定の範囲で統計的に処理した情報を極力開示することにして実行してきたことはご存じのとおりです。この中で個人の審査成績については、希望者にのみ限定された方法でお知らせする方法を講じてきました。個人情報の保護に留意しながら、所要の情報開示を行う方針は、変更することはありません。


  もう1つ個人情報保護で重視しているのは、審査員の審査結果に関する情報です。これについては審査員の判定の自主性を保障するため、個々には開示しない方針を続けます。

武道議員としても名を馳せた坂本三十次氏逝去される

 元官房長官、労働大臣として政界における重鎮として活躍された坂本三十次氏が、3月19日に亡くなられました。政界における随一の実力者の剣道議員として、お世話とご指導に与かりました。石川県剣連会長、学校剣連会長を長く務められ、全剣連としても剣道功労賞を差し上げ、顧問をお願いしました。気さくなお人柄と生前果たされた政界、剣道界でのご功績を偲びご冥福を祈ります。

国際剣連のGAISF加盟が承認される

  昨年4月ベルリンでの国際競技団体(GAISF)総会に、剣道は国際剣連として加盟を申請しましたが、加盟規定数の賛同が得られず否決されました。国際剣連は再度挑戦することとし準備活動をしてきましたが、4月7日にソウルで開かれた総会に上程され承認されましたので取りあえずお知らせします。GAISFに関しては昨年の6月号の『剣窓』の「まど」、「国際コラム」に紹介、報告されています。剣道の国際理解が広まり、普及の上でプラスになることを期待しています。

断 片  恒例の全剣連花見

  4月4日の宵、靖国神社大村益次郎銅像の下で例年の、事務局を中心とした花見の宴を持ちました。4月から総務担当として参入した山田善博君や、会議を終えた一部役員も加わり、満開の花を楽しみ英気を養いました。

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