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平成21年04月号 第261回

(財)全日本剣道連盟会長  武安義光

  春は目の前まで来て足踏みをしているような日々が続くこの頃です。
  しかし東京の花の知らせは、今月中に開花との予想です。


  新しい年度も目の前で、事業計画・収支予算も決まりました。
  本年度の充実した仕事ぶりに輪をかけて頑張ろうと、執行部は新年度に向かい、残り少なくなった任期の中、張り切っています。

21年度事業計画決定される

  全剣連は3月10日に評議員会・理事会を開催、かねて執行部で練ってきた平成21年度の事業計画・収支予算の審議を願い、承認され決定を見ました。


  先月号でも触れていますが、全剣連が仕事を進める基本方針は、今年度を引き継いで変化はなく、これまで築いた実績の上に内容を充実させていきます。


  繰り返しになるかと思いますが、「指導、教育を通じて、質の良い、レベルの高い剣道を育てること、剣道の普及を進め愛好者を増やす努力を進め、社会での評価も高め人造りに貢献していく」ことです。


  以下主な内容について述べます。


 ①大会ではすでに進められているように、全日本都道府県対抗剣道優勝大会と、全国家庭婦人剣道大会を、男子・女子の都道府県対抗大会に組み替えて実施します。
  いずれにも高校生・大学生に出場枠を設け励みを与えます。
  男女混成となっていた都道府県対抗大会を、男子一本の総力戦とし内容の充実を図ります。
  一方女子剣道の普及進展の実態を踏まえ、普及が主目的であった家庭婦人大会を、本格的な全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会として生まれ変わってもらい、女子剣道の全国的レベルアップに役立つよう育てます。


  ②ブラジル・サンパウロで開かれる3年ごとの世界剣道選手権大会は、国際剣連の運営に責任を持つ全剣連として、これを立派に開催する責任があり、ブラジル剣連の協力を得つつ実施に当たります。
  またこの大会への参加国として、前回の台湾大会の轍を踏む事なく、立派に勝つことが必要です。全剣連は行ってきた強化活動の成果を基に、すぐれた選手団を派遣し完勝する決意です。
  地球の裏側に選手団・審判・役員などを派遣することは、次年度事業計画の中での大仕事となります。
  大会では審判技術の向上が課題で、決定した各国の審判41名の参集を求め、5月に成田市で講習会を行います。


  ③武道が中学校体育の正課で必修科目になることは、全国の剣道人を元気づけていることでしょう。
  実施を前にすべての剣連の努力が必要ですが、全剣連も教育当局との連絡に遺憾なきを期しています。
  差し当たり専門家の協力を得て正課の授業に役立つ手引書の作成を進めており、新年度早々『剣道授業の展開』として刊行します。
  授業時間が十分でない体育正課の手引書として、全国の中学校で利用されることを期待しています。


  ④普及、指導者の養成は重点項目として努力します。
  指導法の講習は各剣連との協力のもと進めますが、「指導法講師要員」の研修も本年に続き行います。
  また社会体育指導員の養成事業は引き続き重点項目ですが、上級資格者の更新講習が始まります。


  ⑤称号・段位制度の運用は公正・的確に行いますが、本年度決定した、六段以上への受審資格における、60歳以上の受審者の修業年限の優遇制度が新年度より廃止されます。
  また前号で取り上げていますが、級位を称号・段位審査規則の体系に整合性を持ったものにするための改正、また全剣連直営の六段以上の実技審査の方法の改善案が浮上しており、来年度後半よりの実施を目指しますがこれらは別に述べます。


  ⑥国が進めている新しい公益法人制度への移行について、なお期限までの時間はありますが、具体的に検討を進めていきます。公益事業としての認定、理事会・評議員会の構成・役割・定数などにつき、現行の再検討と変更を行わざるを得ないことが予想されます。これについては別の機会に解説することとします。


  以上主な点について記しましたが、別掲の本文もご覧ください。

次年度収支予算は本年度並の規模を見込む

  全国的不況の影響が、剣道界にどんな影響を及ぼしてくるか懸念されるところですが、昨今の情勢を見つつ、受審・登録の人員は本年度並として予算を組んでいます。


  先に述べた重点事業を失速させることなく進めるため、今年度予算のように数年前の増収で蓄積されたものから約4千万円余を取り崩し収入を補いました。


  こうして本年度並の一般会計6億4千万円の収支予算を組んでいます。
  支出全般の引き締めを引き続き行って重点事業の推進を図っていきます。

級位審査規程の見直しについて

  先月で取り上げましたように、30年前の規程を、現在の称号・段位審査規則の趣旨に合わせて、位置付けようとする改定です。


  各剣連での運営という位置付けを変更するものではありません。大綱を定めて、各剣連で実行して頂き、少年剣道の振興に役立つものにすることを期待します。


  称号・段位審査規則の体系の中の級位は三級までとすること、「木刀による剣道基本技稽古法」を実技審査に取り入れること、などが新たに規定される主な内容です。
  本年度中の規則化を進めます。

六段以上の実技審査の方法の見直し

  全剣連の担当する剣道六段以上の審査方法の改善が検討されています。


  例えば六段の場合、立合い時間は1分で、2名を相手にして行い、その経過で合否の判定が行われます。七段の場合は1分半、八段の一次審査は2分弱です。


  実力をこの間に発揮するのは受審者にとって容易でなく、判定する審査員にも難しいことです。また2名だけを相手にする立合いでは、相手の実力・相性などによる組み合わせ上の有利、不利が出来やすくなります。


  できれば立合い時間を延ばし、相手の数も増やすことが望まれてはいましたが、何と言っても多数の受審者を審査するため、現在の実施方法に落ち着き、その枠内で合理的方法を追及し、まずまずの結果を得て現在に至っています。


  そこに「審査場の立合いを2組ずつ行っては」との案が委員会で出されました。これは剣連での五段以下の審査会ですでに実施している県もあり、にわかに検討に熱が入りました。


  この方法によれば4名1組の現行の方法で、2組ずつ3回の立合いを行うことで、3名と相手ができ、時間的にも能率化されます。審査員には負担が掛かるが、受審者も力を出すチャンスが増えるというメリットがあり、実施面の問題を克服すれば、採用可能と見られます。


  審議会でも前向きの意見が多く、実行に向かって検討を進めることになりました。早ければ年内の審査会で実行することになりましょう。

全剣連ホームページ立ち上げて10年

  このたび第2回の剣道ホームページ・コンテストが行われ、全国から123件の応募があり、優秀作品が表彰されました。


  この分野の発展が剣道界にも波及し、剣道の普及に大きな役割を果たすようになっていることは喜ばしいことです。


  ところで全剣連も、世に遅れを取るまいと、ホームページを立ち上げたのは平成10年11月、ここに10周年を迎えました。


  当初から剣道愛好の若手専門グループのお骨折りを頂き、内容も向上しこれを見る人も増え、アクセス数も年間500万件を越えるに至りました。


  特に昨年全日本剣道選手権大会の記録に、動画を取り入れるようになり、反響を呼んでいます。発展の一つの歴史が作られたわけで、これまで協力頂いた方々に、感謝の意を表させて頂きます。

剣道選抜特別訓練講習会 第二期成果を収めて終了

  通称・骨太剣士養成講習といわれているこの講習会。


  一昨年11月にスタートして、さる2月26日から4日間の第6回講習会を行い、第二期の課程を終えました。始まった2年前に比べて見違えるように成長したと、講師の方々も満足しておられました。


  今回はブラジル大会の強化選手と合同で、試合も行いました。講習会の最後を飾る勉強になったと思います。職種によってなかなか都合が付かぬ講習生が多かったことは少し残念ですが、今後の発展を期待しています。


  全剣連も期間をおいて、彼等の成長ぶり、活動ぶりをフォローしていきます。

社会体育指導員養成初級コース長野市で初めて実施され盛会

  去る3月6日から3日間長野市で開催された標記講習会、118名の方が参加、熱心に受講されてよき成果を収めました。


  地方での講習会で100名を超える受講者を集めてもらったのは7年ぶりのことで、長野剣連のご尽力も大きかったことと主催者側は喜んでいます。

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