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剣道中央講習会中止に伴う講習内容の掲載 ―第2回―
第55回剣道中央講習会は、2020年10月8日(木)・9日(金)、日本武道館研修センター(千葉県勝浦市)で開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、已むなく中止となりました。
本講習会は、全剣連と各都道府県剣道連盟および全国組織剣道関係団体との意思の疎通を図るとともに
- 全剣連は「公益財団法人」に移行し、新たなスタートをすること
- 「対人稽古再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」に関連する事項
を含め、ガイドラインを踏まえた剣道の審判法や稽古及び指導のあり方等を説明・講習する計画でしたので、これらの内容に関連する資料を4回に分けて掲載します。
*この記事は、月刊「剣窓」2021年1月号と2月号に掲載した記事を転載しています。
第2回 「主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドライン」を踏まえた試合・審判法の留意点について
試合・審判委員長 香田 郡秀
令和2年8月27日付で「主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドライン」が発出されました。このガイドラインは全剣連主催の大会に適用するものですが、各都道府県剣連においても、大会を実施する場合、このガイドラインを参考に地域及び各剣連の特性に合わせたガイドラインを作成し、安全な大会実施にあたるようにお願いいたします。
本来ならば10月8~9日に開催を予定していました「令和2年度剣道中央講習会」にて審判実技を中心としてガイドラインを踏まえた試合・審判法について細かく説明する予定でしたが中止となりましたので、新型コロナウイルス感染拡大が終息するまでの暫定的な試合・審判法の要点について述べさせていただきます。
【新型コロナウイルス感染症が終息するまでの暫定的な試合・審判法】
- 新型コロナウイルス感染症が終息するまでは暫定的な試合・審判法を感染状況等踏まえながら、大会毎に大会実施要項に定める。
- 試合時間の短縮、延長戦は区切って行い休憩を取り入れる等、マスク着用による熱中症対策を積極的に取り入れる。
- 試合者は、鍔競り合いを避ける。やむを得ず鍔競り合いとなった場合は、すぐに分かれるか引き技を出し、掛け声は出さない(引き技時の発声は認める)。審判員は鍔競り合いを解消しない場合には、ただちに「分かれ」を宣告する。また、1)意図的な「時間空費」2)「防御姿勢(勝負の回避)による相手に接近するような行為は、試合審判規則第1条に則り反則と判断する」この問題については、審判員の裁量だけで解決するのは困難であり、事前に試合者に対して、十分に指導、徹底することが必要である。
- 審判員の密接を防ぐために、審判員の試合場への入退場の際は1m以上の間隔を空けて行う。図1左図の現行では主審と副審の袖と袖が触れるか触れないかの距離であったが、右図のように主審と副審の袖と袖の間隔を1m以上空ける。主審は中心の位置に、副審は開始線よりやや外側に立ち、定位置まで開始線の外側を通り直進する。
- 合議は図2のように1m以上の間隔を空けて行う。
- 試合終了後に当該試合の反省を行う場合は1m以上の間隔を空ける。
- 試合者、審判員は試合中マスク着用する。それ以外の開会式、閉会式、待機中等においても常時マスクを着用する。また、審判旗は各自で持参して使用する。
【竹刀検査】
竹刀検査は3密状態になりやすく感染リスクが高まるので、次の点に留意して実施する。
- 検査を受ける者はマスクを着用する。
- 検査員はマスクと使い捨て手袋を着用する
- アクリル板等で検査員と検査を受ける者を仕切る。
- 検査→退場のルートを一方通行にする等工夫する。
- 待機時に間隔をとる(床にテープを貼る等、位置決めをする)。
今後、順次全剣連主催の大会や各都道府県の大会が可能な限り開催されると思われますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止を図り、多くの方が安心して試合をし、観戦していただけるようにすることが大変重要だと考えています。そのためには主催者は大会を開催するにあたって、審判員、選手、その他関係者にこの大会ガイドラインの内容を遵守して安全な大会の実施に努めていただきますようお願いいたします。