女子委員会
沖縄県剣道連盟副会長に就任しての抱負
宇良 永子(沖縄県剣道連盟副会長)
はじめに
私は令和4年度に沖縄県剣道連盟副会長に就任いたしました。令和3年度より、県学校剣道連盟の会長に就いていたことから、親川光俊沖縄剣連会長より「学校剣道で青少年の育成に貢献した経験を生かして、県剣道の更なる普及発展と女性の剣道人口の拡大等に取り組んで欲しい」と副会長就任を要請されました。
昨年は丁度、節目の寅年で72歳を迎えたことで、心に期するものもありましたので、微力ながらも尽力したいとの気持ちでお引き受けすることに致しました。
剣道との関わり
剣道との関わりは、昭和41年に那覇市の県立小禄高校に入学してからです。九州の女子剣士の本に出会い、そのカッコ良さに憧れ、剣道部へ入部しました。しかし、同高は、開校間もない学校で体育館や武道場が無かったため、運動場で靴を履き、素振りや打ち込み中心の稽古に取り組んでいました。
本格的に剣道を始めたのは、昭和44年に九州産業大学芸術学部に入学してからです。大学の剣道部は、当初、女子部員が3名おりましたが、4年生の頃には女子は私一人になり、猛者との稽古に明け暮れました。その甲斐あってか、大学4年の時に全九州学生選手権3位へ入賞し、全国大会にも出場することが出来ました。その貴重な経験は、その後の剣道人生に大きな糧となりました。
昭和48年に大学を卒業し、剣道を志して沖縄県で初めての婦人警察官となりました。間もなく巡査部長職にも昇任しましたが、子ども達への剣道指導に携わりたいとの夢があり、勤続6年後に念願であった中学校の美術教師に転職致しました。
教師として赴任した先々では剣道部を立ち上げたり、剣道部の部活動の活性化を図るなどして、生徒たちに優勝や多くの入賞経験をさせることが出来ました。また、「剣道の理念」にある「人間形成の道」であることを念頭に、所作や礼法などを教え、生徒たちに節度ある生活態度を身に付けさせると共に、楽しい充実した学校生活に取り組むことの指導に腐心しました。
私自身は31年間の教職在任中に、全国教職員大会に3回、全国家庭婦人大会に12回出場し、全国の女子剣道のレベルの高さを痛感致しました。しかし、同時に子育てしながらの厳しい境遇の中でも、両立しながら頑張っている他の選手の姿に感銘を受け、勇気付けられたことで今の自分があります。
退職後は、沖縄剣連主催の定期講習・稽古会、高齢者剣友会・県女性剣友会の稽古に参加しています。また、近隣の中学校、高校へも足を運び、楽しめる剣道の技能指導や日常の生活態度などの指導を継続しております。
副会長としての抱負
沖縄は、離島県で他の都道府県との稽古や大会参加に多くの費用が掛かることから、他の都道府県との交流が難しい環境です。
また、厳しい少子化の中で子供たちは高学年になるにつれて、剣道離れが進み、剣道人口は減少傾向にあります。底辺の拡大と更なる競技力の向上等大きな課題もありますが、今後は「ウィズコロナ」の環境下での剣道の再起動と普及活動を喫緊の課題と捉え、その打開に取り組んで行きたいと思います。
来年度、沖縄県剣道連盟は創立70周年を迎えます。また、長い歴史と伝統を誇る格式の高い「第69回全日本東西対抗剣道大会」が沖縄県で開催されます。
これを好機とし、親川光俊会長をサポートして、沖縄県の剣道人口の増加と女子剣道の普及発展に最大限力を注ぎたいと思います。
略 歴
- 沖縄県那覇市出身(旧姓:大見謝 永子)
- 九州産業大学芸術学部ビジュアルデザイン科卒業
- 大学卒業後、沖縄県婦人警察官に採用され、巡査部長昇任
- 沖縄県教職員(美術)に転職し、小、中学校美術教諭として31年勤務し、平成23年小学校校長で定年退職
- 現在、沖縄県剣道連盟副会長・沖縄県学校剣道連盟会長・沖縄市剣道連盟副会長
- 沖縄県警察学校非常勤講師(美術)
※趣味:太極拳・フラダンス・三線・洋裁・家庭菜園