アンチ・
ドーピング
剣道界におけるアンチ・ドーピングに関する意識の状況(コラム41)
オリンピック選手などのドーピング発覚がワイドショーなどでも取り上げられることがあり、「ドーピング」というワードは社会に広く知られるようになったと言えます。では、剣道界において、アンチ・ドーピングに関する知識はどの程度広がっているのでしょうか。
少し前の情報になりますが、全日本剣道連盟では、2015年に約400名の指導者(高等学校教員、社会体育指導者講習会の受講者)に対して剣道におけるアンチ・ドーピング活動の普及実態調査として、アンケートを実施しました。今回は、調査結果の一部を紹介します。
約90%が「ドーピングを知っている」と回答し、約80%が「剣道にアンチ・ドーピング活動が必要」と回答しました。多くの指導者がアンチ・ドーピング活動に一定の理解を示してくれていることがわかります。
しかし、約45%が「剣道にドーピング検査があることを知っている」と回答し、やや少ない傾向でした。また、「なにを通じて知識を得たか」という問いに対しては、一般的なメディアや雑誌からが約48%と最も高く、全剣連のホームページからは約16%、剣窓からは約11%とそれほど高くありませんでした。全剣連のホームページ上では、剣道に則したアンチ・ドーピング活動について簡単に学ぶ教材を複数提供していますので、まずは閲覧・視聴していただきたいところです。
また、約83%が「子どもたちに対してアンチ・ドーピングを教えていない」と回答し、その理由の約60%が「教える知識がない」というものでした。たとえば、指導している子どもたちに対しては、教えるのではなく、一緒にYouTubeを視聴する、一緒にマニュアルを読むことから始めればよいのではないでしょうか。
まずは、学びの導入として、次の3つの資料を検索し、参考にしてください。
・ジュニア剣士のためのアンチ・ドーピング道場(小中学生向け)
・剣士のためのアンチ・ドーピングマニュアル(高校生・一般,全国大会出場向け)
・選手のためのアンチ・ドーピング8箇条(高校生・一般,全国大会出場向け)
アンチ・ドーピング委員会
委員 小澤聡
* この記事は、月刊「剣窓」2023年8月号の記事を再掲載しています。