公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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居合道七段審査会(香川)

開催日:
2016年07月08日(金)
会場名:
高松市総合体育館
受審者数 合格者数 合格率
38 10 26.3%

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審査員の寸評(実技)

 連日の猛暑日の中、台風1号が台湾に上陸した影響で西日本一帯は大雨に見舞われた。しかし幸いにも高松市では大した雨とはならず、水不足の心配を解消する一息ついた恵みの雨の中での、居合道七・六段審査会となった。

 前日の審査員研修会において、全日本剣道連盟松永政美副会長より、日頃から居合道普及、発展に対しての感謝のお言葉と、審査員としての心構え・遵守事項等のご指導をいただき、審査員一同、気を引き締めて審査会に臨んだ。

 古流二本は得意な自由技を演武するためか充分稽古を積んでいた。

 指定技の三本は、受け流し、三方切り、総切りで東日本地区の審査会と同じ技であった。

 三本目受け流しは、受け流しから切り下ろしまで一連の動作で行う技で「受け流した勢いで切っ先を右上方へ回して敵に向き直りながら」云々とあるが、一連の動きと速さに囚われて急ぎすぎて基本的な刀法を省略している所がある。

 七本目三方切りは、正面の敵を圧しながらの気攻めの構えが見えない。高段者としての修業の深さ、「残心、間」を考えては如何かと思う。左上段もその一考の余地がある。

 十一本目総切りでは、送り足の左の後ろ足で上体を押していく力強さが見えず、気攻めが無い。腰腹部への切りが水平になっていない。

 以上のような基本動作不足のところが目に付いた。

 この審査会で感じたことは、演武に囚われ過ぎて気剣体の一致、目付がおろそかになり仮想敵を見据えた理合に乏しいことである。基本の上に理合が備わった、武道としての合理的な居合であることが望ましいが、七段審査では20年以上の永きにわたって修行してきた熟練の技量から出て来る風格、品位が見られなかったのが残念であった。

 解説書をよく熟知し、稽古することが一番大切なことであるが、居合道段位審査実施要領をもう一度読み直し、自分がおろそかにしている基本的な技前、その段位としての熟練技能の習得等、今一度初心に立ち返り、基本の稽古と、高段者としての気・剣・体の心構えを意識した稽古に取り組んでみてはいかがであろうか。 今回めでたく合格された方、誠におめでとうございます。これに満足せずに一段高いステップを目指していただきたい。残念ながら今回失敗された方はこれらを参考にして修業し、次回は必ず合格されますことをお祈りいたします。

迫野 康雄
*この記事は、月刊「剣窓」2016年9月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
居合道七段審査会(香川)
開催日
2016年07月08日(金)
会場名
高松市総合体育館
〒760-0066 香川県高松市福岡町4-36-1
JR高松駅より車で15分琴電沖松島駅下車、徒歩2分
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