審査会
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居合道七段審査会(岐阜)
- 開催日:
- 2017年06月23日(金)
- 会場名:
- 飛騨高山ビックアリーナ
審査員の寸評
6月23日(金)、山間(やまあい)の静かな街並み、そして観光の名所でもある飛騨の高山において開催された標記審査会の所見を述べさせていただきます。まず、着装、姿勢、態度等は目立った欠点は見受けられず立派でしたが、技前が形をなぞっているようで、〝居合の形〟になっていたのが残念でした。敵は眼前の心です。敵があってこそ居合ですので、刀を抜くに当り三攻一致の攻めの技前を研究すると共に、求められる風格や気品は内面から滲み出るものですから、礼節・礼譲をよくよく勉強して下さい。
指定技・五本目(袈裟切り)
右脇腹から逆袈裟に切り上げた時、左肩から刀が抜けないうちに刀をかえしています。さらに右肩上方でかえした時、後を突きさすようになっています。これは、柄を握る左手が遅れ、刀をかえした右拳が止まるからです。切り上げ切り下ろしを一太刀で行う高度な手の内が要求されますので、よく修錬を積んで下さい。
指定技・七本目(三方切り)
正面の敵を気で圧する攻めが、攻めたつもりで、格好だけです。本気で厳しく攻める研究をして下さい。また一人目の右の敵に対する抜き打ちが、ほとんど抜きつけです。「抜きつけ」「抜き打ち」の違いを身につけることが先決です。
指定技・九本目(添え手突き)
普通では、考えられない近い間合の敵。しかも、自分より有利な左側の敵に対し、一瞬の虚を逃さず抜き打ち。ここの部分がほとんど出来ていませんでした。腰のひねりによる体捌きと鞘引きでの「抜き打ち」をしっかり学んでいただきたい。
形から居合の位置づけとなった今、七・六段とは、何を求められるのか、審査規則の付与基準を考え、もう一度、元の心に戻り解説書を熟読し、全剣連居合の中身をよく理解し、研鑽されますよう希望します。合格されても、不合格であっても、この道の目的は一つ。己が心(魂)を磨くことです。日々の積み重ねを大切に頑張りましょう。これからも、ずっと応援申し上げております。
小倉 昇
*この記事は、月刊「剣窓」2017年8月号の記事を再掲載しています。
行事概要
- 行事名
- 居合道七段審査会(岐阜)
- 開催日
- 2017年06月23日(金)
- 会場名
-
飛騨高山ビックアリーナ
〒506-0051 岐阜県高山市中山町600
高山駅より車で10分JR高山駅より、のらまいカー西線「ビッグアリーナ前」バス停下車(約15分)