審査会
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居合道八段審査会(京都)
- 開催日:
- 2012年05月03日(木)
- 会場名:
- 京都市武道センター 主道場
審査員の寸評(実技)
居合道最高段位の審査である今審査会。その一次審査は、制定居合の中から、「前」「受け流し」「袈裟切り」「三方切り」「添え手突き」「総切り」「抜き打ち」の七本が指定出題された。今回の受審者は対敵の技法、心法の高い次元において修錬された方々の審査と考えて拝見したが、その姿を見ることは数少なく、一次の通過者は30名となった。
制定の技はその動作が細かに決められているので、刀法・姿勢は形として良く抜かれていた。しかし、高段者となれば解説書にある要義を良く理解され、武道としての対敵の表現が修業の深さの判定につながるにもかかわらず、形のみに終始しているように見える方が多見された。私は、居合は剣道のように、剣道は居合のように修錬するよう厳しく教えを受けた。八段の受審者の方々は、対敵との交剣を表現できるまで心技体の錬度を深めていただきたい。古書には、〝品位風格は精神と技術が高い次元にて融合することで醸しだされる、それが品位風格とかを感じさせるのである〟と書かれている。努力すべし。
二次審査は古流自由技七本で審査が行われた。最終結果は10名の合格となった。内、女性の合格者が昨年に続き1名出たことは慶ばしいかぎりだが、残念な結果となられた方々は、その流派の良き師を得て深く研究され、緩急自在の運剣、年齢に応じた使いを研究されたい。また自分中心の動きで仮
想敵が観えない、剣の舞とならないようにしていただきたい。
〝相手の気持になれ”の教えがあるが、それが対敵の動作につながるのが武道の居合ではないだろうか。次回に向かって全身全霊を打ち込んだ厳しい稽古をお願いしたい。
小林 忠雄
*この記事は、月刊「剣窓」2012年6月号の記事を再掲載しています。
行事概要
- 行事名
- 居合道八段審査会(京都)
- 開催日
- 2012年05月03日(木)
- 会場名
-
京都市武道センター 主道場
〒606-8323 京都府京都市左京区聖護院円頓美町46-2
市バス「熊野神社前」下車、東へ徒歩1分市バス「京都会館美術館前」下車、北西へ徒歩3分