公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(京都)

開催日:
2012年04月29日(日)
会場名:
京都市立体育館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,056 142 13.4% 9

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審査員の寸評(実技)

いよいよ本年度の昇段審査会が幕を開けましたが、先ず受審者の方々のこの間におけるご精進ご努力に対して敬意を表する次第です。 と同時に見事合格された皆さんに心からお祝を申し上げます。また残念な思いをされた方の更なる奮起を期待します。

 さて、今回の審査で感じた所見の一端を述べ、次回に一人でも多くの方のご努力が実を結ぶ一助となれば幸いです。

○特に感じた点は攻めが不十分であること
 審査規則の付与基準の内容の一つである理合(攻めの部分)です。本来剣道は攻撃に重きを置いて、攻めてから撃つところに醍醐味を見出すもの、よく審査と試合は違うと言われる所以はこの点です。不断の稽古でこの肝心な「理合」の部分を養って、地力がより一層つくように工夫して欲しいものです。

○高段者に求められる有効打突の表現方法
 「三殺法」によって攻めて相手を崩し、そして打突の機会を作り、すかざす、そこを捉えて打ち(捨て身)勝ちを得る方法です。この内容を一本、一本の稽古で錬り上げて「事理一致」の教えを心掛けていただきたい。

 そのためには有効打突の条件である「充実した気勢・適正な姿勢」の形を意味する相手を攻め込んで有利な状態を維持する力を修得しなければなりません。そうすることで「攻め」と「ため」のある技に繋がるのです。ややもすると審査だからといって逸る気持に走りがち、「早く打たないと」、「打ってやろう」等、気の焦りから繰り出す技は「攻め」、「ため」に欠けて決して審査員の心に響きません。理合に適った攻防の妙に裏打ちされた技こそ審査員の心を打つのです。どうか普段から上位の先生方に出来るだけ数多く稽古をお願いして、自己の潜在能力を磨いて、捨て身で打ち斬る技が審査で発揮できるように、今後とも弛み無いご精進をお祈りして寸評とします。

小坂 達明

審査員の寸評(剣道形)

 新緑の京都審査会で剣道形審査を担当しましたので、他の審査員のご指摘も伺い所見を述べます。

 今回は、形審査事前事項として受審者が形を間違えた場合、昨年まで1回認めていた「やり直し」を一切認めず、審査員から「やり直し」の指示があった場合のみ、その組だけもう一度やり直させる審査方式に変更されました。
 審査員からすれば当然の方式であるかとも思いますが、受審者からすれば実技審査合格後、初見の人と立会う訳ですから合気で形を打つのは難しいかも知れません。しかし、審査のためでなく平素形の修錬をし、正しく体得していれば可能であると思われます。

 今回は、この方式の審査であり失敗は許されないという緊張感と、気持の引き締まった形を打たれ、七・六段共段位に相応しい形が拝見出来たと思いますが、全体を通し共通した欠点が見られました。個々具体的な点については、これまで多くの先生方が『剣窓』誌上でご指摘されており重複することですが、特に、
一、太刀の形において「機を見て」とある打突の時機を理解していない。
二、四本目の切結びが高く合わせるだけで、剣先を概ね正面の高さで切結んでいない。
三、小太刀の中段、下段半身の構えが正しくないため体さばきが不充分。
四、打・仕太刀共に打突部位を打突部で正しく打ち、突きをしていない。

 以上四点について特に技量不足を強く感じました。

 七・六段は指導者の立場にあり、伝統文化の剣道を後世に伝えていく役割を持っています。高段者として剣道形を正しく示範できるよう、『日本剣道形解説書』や『講習会資料』を熟読され、こと細かな点や形の精神、理合から呼吸法、緩急強弱に到るまで、充分研究修錬していただき、正しく身につけられますよう念願いたし寸評といたします。

武藤 久夫
*この記事は、月刊「剣窓」2012年6月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(京都)
開催日
2012年04月29日(日)
会場名
京都市立体育館
〒615-0864 京都府京都市右京区西京極新明町32番地
(1)京都駅より番号73洛西バスターミナル行―西京極運動公園前下車 約20分(2)武徳殿の近くでは京都会館美術館前より番号32京都外大前行―西京極運動公園前下車 約30分(3)阪急電鉄西京極下車 約150メートル
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