公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(山形)

開催日:
2013年08月18日(日)
会場名:
山形市総合スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
813 157 19.3% 1

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審査員の寸評(実技)

 猛暑の中、山形市で行われました七・六段審査会(一会場担当)で感じたことを述べさせていただきます。

 審査は限られた極めて短い時間内に、各段の基準(段位審査規則)に該当する者に与えられるものですが、簡単に言うと歩合(有効打突)・格(風格や品格)・錬度(地力)・年齢等を総合的に見て判断し合否を決定します。この極めて短い時間内に審査員は、これまでの経験や剣道観で判断しますが、受審者同様難しい作業です。

 それでは具体的に審査員は何を見ているのか。①着装・構え②攻め(気力・気勢)③間合・機会④打突(発声・強さ・冴え)⑤残心(身構え・気構え・態勢のまとめ)等です。概ね試合・審判規則の有効打突の要件・要素の内容です。

 合格された方は上記審査基準や有効打突の要件・要素に合致した部分が多く、不合格の方は少なかったことになります。よく受審者から何本も当たったのに落ちたのはなぜかと言う質問を受けますが、上記基準等からかけ離れておれば当たったとしても不合格とみなされます。審査の見方として必ずしも打突部に当らなくても理にかない、また潜在的力を認めた場合、合格することもあります。

 また、十分昇段の力を持ちながら審査となると全く精彩を欠き、力を発揮出来ない方を多々見受けます。殊更に審査を意識し形の作り過ぎにより、最も大事な要件である「充実した気勢」の欠けた立合いに終始した結果と感じます。むしろ地力のある方は一本勝負の気分で、立合いに臨んでもらいたいと思います。

 審査に臨まれる課題として①有効打突「気剣体の一致」要件要素の確認②気力充実するも体はリラックス③短時間の稽古で、仕掛け攻めていく・気を抜かない・縁を切らない④地稽古よりも打込み稽古(年齢等考慮し量は調整)等を心掛けてもらいたいと思います。

 なお、私の剣道観として「稽古も試合も審査」も別々では無く同じと捉え、「生涯剣道」を目指すことを目的とし、その過程に「試合」や「審査」があるとの考えです。

 先生方の益々のご精武をお祈りし、拙い審査寸評と致します。

豊村 東盛

審査員の寸評(剣道形)

 今回、8月山形審査会においては猛暑にもめげずに合格された方々、誠におめでとうございます。日頃のご精武に敬意を表します。

 剣道形審査会で感じたことを述べます。剣道形審査を何故やるのか、形を学ぶ意味をもう一度考えて下さい。戦後、剣道は体育スポーツとして復活し、伝統的な有効打突一本をめざして行われています。その原点は剣道形にあることを再認識して下さい。剣道形には、機をみて入身にならんとする所の理合、行動の仕方等が示されています。そのことを十分学び、深く理解した上で初めて、一本の条件「充実した気勢、適正な姿勢で、竹刀の打突部で、打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする」、これが適うのではないでしょうか。それは単なる円筒形の竹刀で打ち合う競技性だけでない剣の理法に適った事柄が剣道形には含まれているということを認識していただきたいと思います。

 七段位は全員合格しました。六段位は若干名の不合格者がおられましたが、他の審査員のご指摘を含め具体的内容を申し上げます。

 まず、『剣道講習会資料』等をよく理解していません。不勉強であります。構えの理解、打突部(どこを打突するのか)、打太刀・仕太・刀の気攻め、合気の攻防、それらをよく理解していないところが見受けられました。七・六段は高段者として指導する立場になります。技術は粗より精に進み、精より妙に至るという教えがあるように、形の理合を竹刀剣道に生かせることが大切です。一本一本真剣に一心一刀という気持ちでくり返しくり返し精進して下さい。制定から100年伝承されてきた日本剣道形を、これからの日本剣道のさらなる発展のために勉強して下さい。指導者として自覚を持って原点に返り、気剣体の一致した剣道とは何か、打つ気、打つ剣、打つ体が完全に一致して一本となることが有効打突なのです。攻める気で体を出し、出した体で相手を打つ、これを一拍子に行うことが正しい剣道の伝承だと思います。単に基本動作だけでなく、如何に気位を高め、気合を込めて真剣に行うかであると思います。このことを学ぶ教材として作られたのが日本剣道形なのであります。しっかり学んで下さい。ますますご精武されることを期待して寸評としたします。

加藤 浩二
*この記事は、月刊「剣窓」2013年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(山形)
開催日
2013年08月18日(日)
会場名
山形市総合スポーツセンター
〒990-0075 山形市落合町1番地
羽前千歳駅下車、徒歩10分
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