公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(福岡)

開催日:
2023年02月05日(日)
会場名:
福岡市総合体育館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
474 113 23.8% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 このたび福岡で行われました審査会は七段14.1%、六段23.8%という実技合格者となりました。この結果は受審者の日頃の修錬の賜物と思います。特に合格された女性については、力強さではなく女性の特性を生かしたやわらかさ、しなやかさの美しさが充分に表現されていました。また残念な結果となった方々に対して、今回第5会場を担当した所見を述べさせていただきます。

 七段、六段審査会においては「剣道称号段位規則・細則」に明記されている中で、特に「理合・風格・品格」といった高度な技倆が求められます。

 審査において、礼法、姿勢、構えは立派でありましたが、着装について、面紐の長さ、結び目がそろっていない、色あせた剣道着・袴が散見されました。事前の準備点検を万全にして審査に臨んでほしいです。

 次に立合いですが、「初太刀を取る覚悟」の意味からも蹲踞から立ち上がり、気で攻め崩し理に適った「捨て身の一打」を出すことであります。限られた時間内で、いかに審査員の心に響く打ちができるか、また、今まで修錬した自分の剣道が表現できるかが一つの鍵になります。

 全般的に蹲踞から立ち上がり、触刃の間から交刃の間までの気の攻め合いがないままに、早打ちが目立ち有功打突につながらない無駄打ちが見受けられました。気の攻防において相手に攻め勝ち、常に気力の充実を図り打突の機会を捉えれば、相手を攻め崩した状態になり、一足一刀の間合から捨て身の一本に全力を尽くした打突を心がけていただきたいと思います。よって正しい姿勢からの間合で気力を充実させ、気による攻め合い、攻め勝って打ち切る攻めの攻防が大切です。

 最後に「打って反省、打たれて感謝」常に謙虚な気持ちを忘れずに日々の稽古に取り組んで下さい。

清水 新二

審査員の寸評(剣道形)

 福岡における剣道形の審査について所見を述べます。

 今回、剣道形受審者全員が合格致しました。結果だけで見れば立派だと言えるかもしれませんが、他の審査員の指摘からも内容をよく吟味すれば、問題が多く見受けられました。

 剣道形は約束に従って一定の形式と順序によって動作をするが、審査は、形合わせをして臨むわけではないので呼吸の合わない場合もあり、各本ごとに見ると修錬不足が散見されました。

1.太刀の形から小太刀の形へ移る場合の所作
 太刀の形七本が終わり、仕太刀が小太刀に取り替える間、打太刀は蹲踞して待つ決まりが立ったまま待つ状態が多く見られた。

2.構えについて
 特に八相・脇構えが出来ていない。小太刀形三本において、打太刀(左上段・下段・中段)に対する小太刀の剣先の高さが曖昧であった。
 正しい技は正しい構えから発想します。正しい構えを習得するよう心掛けて下さい。

3.技について
(1)打太刀は、定められた打突部位を正確に打突し、仕太刀は、打太刀の打突に従って打突部位を正確に打突する。これが十分に理解されていないので、迫真性に欠ける。
(2)打突の際、足音を立てる。
(3)太刀の形で、打太刀は「機を見て」、小太刀の形では、「入身になろうとするところ」という打突の時機が十分に理解されていない。
(4)打太刀は、仕太刀が十分に残心を示した後、動作を始めなければならないのに、残心を確かめず動作をするので、形に重厚性がない。

4.終わりに
 七・六段は指導者ですから、平素から剣道形の意義、修錬の必要性、効果等を『剣道講習会資料』『日本剣道形解説書』を熟読し正しい示範が出来るとともに、剣道形の理合を理解し習技者に説明出来ることが大切です。

 ご昇段を契機に一層の修錬を念願いたします。

島野 大洋
*この記事は、月刊「剣窓」2023年4月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(福岡)
開催日
2023年02月05日(日)
会場名
福岡市総合体育館
〒813-0017福岡市東区香椎照葉六丁目1番1号
JR鹿児島本線『博多駅』より 『博多駅』 → 約8分 → 『千早駅』下車 西鉄バス『千早駅前』行先番号[1][快1] → 約15分 『福岡市総合体育館』バス停 → 徒歩 約1分
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