審査会
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剣道七段審査会(長野)
- 開催日:
- 2021年02月20日(土)
- 会場名:
- ホワイトリング 長野市真島総合スポーツアリーナ
審査会結果
審査員の寸評(実技)
2月20日(土)・21日(日)七段・六段審査会が長野県で実施されました。コロナ禍での厳しい状況のなか、見事に合格されました皆様には心からお祝い申し上げます。審査会で感じたことを述べさせて頂きます。
今回は、両日とも4会場で実施されました。審査は今まで積み重ねて修錬された成果を僅かな時間の中で出し切らなくてはなりません。
審査に大事な事は、当然ですが相手よりも優れていることです。
彼我攻防の中で剣先の攻めがきいて、攻め勝って理に適った打ちを出し切ることが出来たのかどうかであり、不用意な打ちは評価されません。攻めがなく打つべき機会でないのに打ちを出している方が見受けられました。それこそ無駄打ちになってしまいます。打ち出した技が審査員の目に留まり審査員の心に響かなければなりません。(主導権を握る)
審査における留意点
- 攻め→崩し→打ち(技の冴え)→捨て切る
- 打つべき機会を逃さずに身を捨てて打ちを出し切っているのだろうか。
- 隙も無いのに、自分の調子だけで打ちを出していないだろうか。
- 無駄打ち、無理な打ちのない真に理に適った打ちであるだろうか。
着装について
- 着装に関しては全体的に概ね良好でしたが、各会場においても剣道着の袖がかなり短いものを着用している方が多く散見されました。着装は剣道に臨む心構えを映し出しています。
竹刀について
- 受審者の中には、竹刀の手入れが余り行き届いていなかったり、明らかに先細りの竹刀を使っている方がかなり散見されました。その人の剣道観が審査員には一見して分かります。特に細身の竹刀は、安全性や強度の面からして非常に危険です。竹刀は『刀の観念』と言われています。竹刀に気を配って細心の注意を払うべきと思います。我が身を守り、我が身を助け戦ってくれるものです。入念に手入れをし、審査に臨む姿勢が大事な事ではないかと思います。
六段、七段は指導的高段位です。剣道を志す者として日頃から竹刀を大切にし、手入れを怠りなく心掛けていれば、竹刀に魂が宿って『竹刀という剣』に託す気持ちが内心的にも自ずと違ってくるのではないかと思います。
皆様の益々の御精進をお願いして寸評に代えさせていただきます。
審査員の寸評(剣道形)
今回長野県で行われた、剣道七・六段審査会で日本剣道形を担当しました。
このコロナ禍で昇段審査に挑戦した1,112名の意気込み、情熱に心を打たれました。
七段位514名、実技合格者100名で形の不合格は1名でした。六段位598名実技合格者149名で形は全員合格という結果ですが、特に女性の躍進が光っていました。又、高齢者であっても堂々した風格で形をしていました。
合格者はこれからも高段者として深い理合を追及して理に適った内容のある形を体現できる稽古をくり返しくり返し、精進して身につけて下さい。この身づくりが風格ある剣道につながります。特に作法の規範・礼法、無駄の無い動作・立ち方・歩き方・座り方・左座右起の所作・動作が自然にできるよう身につけて一つ一つの理に適った形を体得して生涯剣道につながる剣道を追及して良い指導者になって下さい。
これからは特に『剣道形解説書』に示されている、「打つ」ということは「切る」という上位概念として「自分に向けられる剣」、「向ける剣」の攻防の中で、構え・吸気丹田呼気で打突し、残心・目に見えない魂をも意識して、有効打突一本を目指して下さい。瞬息、心気力一致した技の理合を体得して竹刀剣道に生かすことを念頭に修錬して下さい。
形審査で全体的に体現されている内容を見て、剣先のつけどころによる「刀法」としての攻防の理合の厳しさがなかった場面が、多数見受けられました。ただ単に定められた約束と順序だけでなく一本一本の理合に魂を込めて、段位にふさわしい迫真性・重厚さを技に応じた緩急強弱でどこを打つのか。一拍子で勝機を体で覚えるまで、くり返しくり返し修錬して身につけて行くことが大切です。それが美しい風格のある剣道につながり、伝統文化としての先人達が命がけで伝承してきた剣道へ至るのだと思います。
どうかこれからも合格した機に剣道を考え、これからの指導者として精進、ご精武を祈念申し上げ寸評とします。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(長野)
- 開催日
- 2021年02月20日(土)
- 会場名
-
ホワイトリング 長野市真島総合スポーツアリーナ
〒381-2204 長野県長野市真島町真島2268-1
JR長野駅東口から車で約20分