審査会
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剣道六段審査会(福岡)
- 開催日:
- 2015年08月30日(日)
- 会場名:
- 福岡市民体育館
審査員の寸評(実技)
福岡市で行われた七段・六段審査会で2日間第五会場を担当させていただきました。日頃の精進が実を結び、見事合格された方には心からお祝い申しあげます。残念ながら今回不合格になられた方は捲土重来を期して次回に臨まれることを願い、若干感想を述べさせていただきます。
一 打ち合うよりも攻め合う
審査は限られた極めて短い時間で行われます。そのため、打突の前に気力を充実させる、いわゆる溜めを作れないうちに剣先の攻防もなく打ちに出る、打ち急ぎの場面が多く見られました。剣道は打ち合いではなく、攻め合いであるという意識で普段の稽古に努めていただきたいと感じました。
二 冴えのある打ちをめざして
午後からは年齢層の高い方の審査でした。体力面からか、それとも応じ技主体の剣風のせいか、手打ちの技が散見されました。しっかりとした構え・握りと踏み込み動作から冴えのある打ちが生まれることから、基本技の打ち込みを日々の稽古の中で少しずつでも継続するよう心掛けていただくことを願っています。
三 姿勢と心は常に崩さない
歳を重ねるにつれ、「体」は衰えていきますが、「心」と「技」は際限なく発達していくと言われます。打たれたくないという剣道に固執することなく、打っても打たれても姿勢や心を崩さないという意識で稽古されることが、特に六段・七段審査の着眼点である①理合、②風格・品位のある剣道につながり、さらには生涯剣道にもつながっていくものと感じました。
今後ますますのご精武を期待いたします。
審査員の寸評(剣道形)
七段合格91名おめでとうございます。2名の形不合格者が出たのは残念な思いであります。審査員の一人として気付いた点を掲げ、今後の修錬の糧としていただきたいと思います。
打突部位を正しく打突すること。そのためには、
一本目 打太刀は仕太刀の正面に物打が届かない間合で打ちを出している。
二本目 打太刀が仕太刀の右小手を斜めに打ちながら剣先を床近くまで下げるため、仕太刀が正しく小手を打てない。
三本目 打太刀は水月、仕太刀は胸部を突くが、木刀の反りに気付かず諸手を伸ばして突くので剣先が高く上がって正しく突いていない。
四本目 切結びが頭上より高い位置となり、打太刀は仕太刀の右肺に向けて突けていない。
五本目 打太刀は仕太刀の木刀めがけて打ち、間合が遠く仕太刀の正面に届かない。
六本目 すり上げができていない。払いになっている。
七本目 気あたりにおいて双方交差が高くなり、剣先が天に向かってしまう。仕太刀は打太刀の右胴を正しく打てていない。
小太刀 小太刀三本の構えの中、打太刀に対する剣先の付け所と構えができていない。左鎬右鎬での受け流しができない。すり上げ、すり落とし、すり流し、すり込みが正しくできない。
以上の8点について申し述べましたが、『日本剣道形解説書』を熟読するとともに、審査上の着眼点について留意することが必要です。
六段の部は合格者182名でしたが、2名の形不合格者が出ました。前記打突部位を正しく打突すると同様、かなりの不足を感じましたが、若年層の気迫のこもった立会には見るべきものがありました。
各段位共に修業の不足を見ましたが、合格者にあっては各種大会等で形の演武をする機会があるので、刀の扱い、着装等種々の更なる修錬を積むことを願い、寸評とします。
行事概要
- 行事名
- 剣道六段審査会(福岡)
- 開催日
- 2015年08月30日(日)
- 会場名
-
福岡市民体育館
〒812-0045 福岡県福岡市博多区東公園8-2
地下鉄「千代県庁口」駅下車、徒歩1分西鉄バス「千代町」バス停下車、徒歩4分JR九州「吉塚」駅下車、徒歩10分