公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(愛知)

開催日:
2012年05月12日(土)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,110 136 12.3% 6

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審査員の寸評(実技)

 審査は、限られた短い時間の中で自己の修業の成果を最大限に表現し、その段位にふさわしい実力があるか総合的に判断してもらうものです。自信と信念を持って焦らず、迷わず、平常心で臨むべきです。名古屋審査会で2日間とも第五会場を担当し感じたことを簡単に申し述べます。

 着装、姿勢、構えに難のある方が目につきましたが、審査の観点でもあり、剣道の原点で土台を成すものです。もう一度謙虚になって、師に学び、書を読み、剣友のアドバイスを受け、姿を鏡に照らして無理の無い立派な立ち姿を作り上げて下さい。

 今後の修業に必要と感じたことを二点に絞って申し上げます。

一、基本に則した剣道をする
 基本が十分身についていない方が目につきました。基本は初期の段階で学び得たと思い、地稽古、互格稽古が主体となりがちですが、打った、打たれたに囚われて知らぬ間に身についた悪癖は気づかず、また直そうと思っても簡単に直せないものです。日頃の稽古に基本打ちを取り入れて正しい剣道を身
につけて欲しいと思います。

二、理合を求めた剣道をする
 理合とは簡単に言うならば「攻めを伴った理に適った打突」と言えます。気で攻め、機を見、機を作り、機を打つ。攻めて崩して打つ、攻めて引き出して(打たせて)打つことに通じます。

 打突の前提となる攻めは気で攻め、剣(先)で攻め、体(足)で攻めることで、「三攻一致」と言われております。次に「攻め間」と「打ち間」の違いを理解し、触刃・交刃の間で中心を取り合う攻め合いの中から、機を見て打ち間(打突を出せば届く所)まで攻め入って打突する。この際の打突は攻め打ちの一連の動作です。三攻一致の要領で攻め入るべきと思います。

 以上、大変まとまりのない文面で恐縮ですが寸評とさせていただきます。皆様方の益々のご精武、ご精進をご祈念申し上げます。

菅波 一元 

審査員の寸評(剣道形)

 剣道七・六段(愛知)の剣道形審査会を担当致しました。今回担当した全審査員の指摘を踏まえ所見を申し述べます。

 剣道形は、きめられた順序と約束事により形成されておりますが、その修錬に当っては真剣勝負の心持ちで取り組み、剣の理法を修錬し実戦に役立つ様に習得することが目的であります。

 今回剣道形受審者は、全体的にみて形の重要性を理解している様に感じました。特に若い受審者の剣道形には感銘を受けました。しかしながら、更なる研究課題としては、

①打突部位を正確に打突出来ていない。
②剣道形四本目の切り結ぶ位置が高い。
③剣道形六本目の小手すり上げ小手の動作がすり上げでなく、払う動作になっていた。
④小太刀について、握り方と構えが悪く、返しが刃で受けていた。

以上4項目が挙げられる。これらの課題を踏まえ更なる研鑽を重ねていただきたいと思います。反復練習することで自然と理合が理解でき、理合が理解できることで剣道形が楽しくなり実戦にも生きていくと思います。

 剣道七・六段ともなれば剣道界の立派な指導者です。自信を持って指導に当っていただきたいと思います。とかく受審のための剣道形になりがちですが、形の講習会等に進んで参加し、益々の修錬を重ねることを念じ、寸評と致します。

矢野 博志
*この記事は、月刊「剣窓」2012年7月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(愛知)
開催日
2012年05月12日(土)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車
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