審査会
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剣道七段審査会(愛知)
- 開催日:
- 2023年11月11日(土)
- 会場名:
- 名古屋市枇杷島スポーツセンター
審査会結果
審査員の寸評(実技)
令和5年11月11日・12日、名古屋市枇杷島スポーツセンターで実施された剣道七・六段審査会におきまして、見事合格されました皆様には、心よりお喜び申し上げます。また、残念な結果となられた皆様には、これを良い機会と捉えて更なるご精進を期待しております。今回、私は第五会場を担当させていただきましたが、感じたことを2点述べさせていただきます。
一.初太刀の重要性について
蹲踞から立ち上がりは、気で攻めて相手を崩し、理に適った捨て身の打ちを出すことが大切です。
立合い時間(七段1分半・六段1分)が短いため、打とうとする気持ちが優先され、攻防なく打突してしまい、相互の面打ちとなるなど、有功打突につながらない無駄打ちが多く見受けられました。
剣先・気の攻防で攻め勝つ、常に気力の充実を図る、機を捉えて打ち切ることを心がけていただきたいと思います。
一.気剣体の一致について
午後の部の年齢的に高い受審者に多かったのですが、一足一刀の間合から跳び込もうとすると、どうしても手が先に出て腰が残ってしまします。そのため、気剣体の一致がなく、有功打突にならない場面が多く見受けられました。
一足一刀の間合から無理に跳び込もうとせず、間合が多少近くなっても攻防の中で「ため」をつくり、打ち切ることを心がけていただきたいと思います。
今後、皆様が自己研鑽に励む中での参考になればと思います。
審査員の寸評(剣道形)
今回名古屋における剣道形審査を担当しました。そこで感じたことを述べます。実技審査で合格して形審査を受審しますが、今もう一度、日本剣道形でなにを学ぶのかということを考えてもらいたいと思います。ほとんど順序を間違えぬよう、構えも間合も打突の機会を見極めて打突することなく、形だけで流しているように見受けられました。
そこで日本剣道形修錬の狙いはなにか、「刀法の原理」「攻防の理合」「作法の規範」等、正しく身につけて戦後競技スポーツとして出発し、競技化が主流になり、勝利至上主義になっていくなかで生じた乱れを是正し、武道として文化性と競技性を融合させる有功打突一本に含まれる内容を真剣に習う気持ちで理合を極めて行くことが大切であることを感じました。
技法として
一本目 抜き技〜打ち込んでくるのに対して体をかわして一拍子で打ち切る動作。
二本目 同じ抜き技でも打ち込んでくるのに対して左斜めにさばいての一連の動作。
三本目 構えと間合の攻防、萎やす入れ突きの動作。
四本目 八相、脇構えから左上段に変化して正面に打ち込む中間の緊迫した場面「しのぎけずり」巻き押え、巻き返す動作。
五本目 上段からの面に対する「すり上げ技」の動作。
六本目 下段から攻め上げる、上段に変化する構えと間合の攻防。
七本目 中段の構えから気当たり、中段になりながら機と見て振りかぶって捨て切って正面を打ち切る動作を抜き技で応じる。
小太刀 すべて入身になろうとする。
一本目 入身になろうとするところ受け流す動作。
二本目 入身に攻める二度の動作。
三本目 すり上げ、すり落とし、すり込みという一連の動作。
以上のような動作を技法として学び、身につけ、竹刀剣道に活かしてください。
今回、特に目を引いたのは、隻腕で、左片手上段で審査に臨む髙宮敏光氏の姿に接し、形の意義、修錬の必要性を強く感じさせられました。理に適った形を立派に演じられ合格された髙宮氏に敬意を表します。
以上のように、競技剣道に走ることなく生涯できる理に適った身体全体で打ち切る気剣体一致した見事な一本を追求する攻防、機会、しのぎの使い方、目付、残心までの呼吸法、特に吸気丹田呼気で瞬息心気力一致を目指す技法を勉強してください。
御昇段を契機に一層の精進修錬を希望します。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(愛知)
- 開催日
- 2023年11月11日(土)
- 会場名
-
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅 徒歩10分、又は東枇杷島駅下車 徒歩5分(2)市バス (名古屋駅)5番のりば発 名駅11系統(名古屋駅ー名古屋駅)「枇杷島スポーツセンター」下車