公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(山梨)

開催日:
2025年02月15日(土)
会場名:
小瀬スポーツ公園 武道館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
530 147 27.7% 1

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 2月15日・16日両日、令和6年度最後の七・六段審査会が山梨県甲府市で実施され、各段10回目の開催となり、七段の合格率は27・7%で前年度平均より約7%増加、六段合格率は34・4%で同約10%の増加となりました。

 これは審査方法が、高齢者の方からの実施となり、高齢者の気力を引き出すことになり、その事が良い結果に繋がったのではないかと思います。

 全員合格とはなりませんでしたが、審査員をやらせてもらった者としては充実した審査会だったと思います。

 私は第二会場を担当しましたが、残念ながら不合格となられた方に今後の稽古の参考になればと思い、気付いた事を述べさせていただきます。

 過去、この『剣窓』に於いて多くの先生から実技の寸評をいただいているかと思います。着装、間合、打突の機会、気合、その他諸々、誠に当然な寸評を指摘されていると思いますので、ここでは私なりの「審査の心構え」を述べさせていただきます。

不合格となられた方は、足が出ないという事です。足が出ないという事は、当然、身体も出ません。それでは打ち斬る【斬る・ここではあえて斬ると書きました】事が出来ません。日頃から足を使った打ち込み、稽古を重ねて手と足が連動した打ち込みを身につけて下さい。「一眼二足三胆四力」という言葉を聞かれた事があると思いますが、眼力と足捌きが大事であると先人も教えています。

さらに丹田【大将】、足腰【侍】、上半身【足軽】、手首は【泥棒猫】と言う事も先人は教えています。

稽古ももちろん大事ですが、先人の残した指導、格言も勉強されたら非常に為になることがあると思います。次に審査の流れについて申し上げます。

審査を見ていますと自分の番になり、呼ばれるまま漠然と立合っている方が多く見られます。表現が合っているかどうかわかりませんが、金太郎飴が如く、流れ作業のように審査を受けている方がみられます。審査員から見れば、その流れを断ち切ってくれるような立合いを待っています。

例えば、度肝を抜くような大きな声とか、ビリビリする様な気迫の立合いをお願いしたいと思います。

そして、今回は女性の受審者が七段で46名、六段で87名おられました。女性剣士の増加は剣道の発展に欠かせないもので審査も期待して臨みました。ただ、男性からしてみると女性相手だとなんだかやりにくいという声も聞きます。私はその問いには男性と同じ様に全力で立合えと答えます。全力とは乱暴なことではなく、理に適った剣道で堂々と立合えということです。一方女性の方も遠慮して立合って下さいとは思っていません。体力の差はあっても七段・六段を受審する方々はそれなりの覚悟を持っていると思うからです。お互い尊重し堂々とした立合いを望みたいものです。

見事合格された方は、さらに精進され真の七・六段の実力をつけられ、それぞれの立場で剣道発展の為、御活躍を心より祈念申し上げます。

最後に、山梨県剣道連盟の役員、係員の方には万事お世話になりました。心より御礼申しあげます。

遠藤 正明

審査員の寸評(剣道形)

 令和7年2月15日(土)16日(日)山梨県小瀬スポーツ公園武道館で剣道七段および六段審査が実施されました。審査会では剣道形を担当しました。その所見を述べます。

 七段受審者530名、実技合格率は27・7%、形は全員合格でした。

 六段は666名受審し、同35%、形不合格者4名でした。

 全体的に見て受審者の形に対する認識が不十分で、形で教えている内容の理解が足りないと感じました。つまり、剣道で一本に決まる瞬間に至る過程と打突後の備えがあって、初めて評価されることが理解されず、ただ形式的順序を間違いなくやっている人が多く見られました。

 形は刀剣の使用法および作法の基本的な規範を示しており、刀剣による攻撃防御の理合を示し正確なる剣道の動作を教えています。

 それを習得し、ごまかしのない理に適った型の崩れない刀法の原理原則にしたがった形を体現してもらいたい。特に相手と立合ったならば、縁を切らない無形の攻合い精神的心の「スキ」がないような構えから技を出すという動作を学んでほしい。日本剣道形小太刀三本目の、無防備に見えるが精神的に心に「スキ」がない、注意力が絶えず、流れていつでも相手の動きに応じることができるよう準備ができている状態を見ることができる。

 最後に、日本剣道形審査上の着眼点に示されている各本ごとの理合を熟知し、技に応じた打突の度合い緩急強弱を一拍子で打突できるように修錬して、正しい剣道を身につけて七・六段として自信を持って指導できるよう精進してください。期待しております。昇段誠におめでとうございます。

加藤 浩二
*この記事は、月刊「剣窓」2025年4月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(山梨)
開催日
2025年02月15日(土)
会場名
小瀬スポーツ公園 武道館
〒400-0836 山梨県甲府市小瀬町840
JR中央線-甲府駅下車、南口よりタクシーで約20分/JR中央線-甲府駅からJR身延線へ乗り換え、南甲府駅よりタクシーで約10分
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