図書
第19回世界剣道選手権大会へ向けて
第2回
日本選手団 総監督
古川 和男
この度、7月に開催される「第19回世界剣道選手権大会」(イタリア・ミラノ)の総監督を仰せつかり、大変光栄に思うと共に気が引き締まる思いであります。
思えば、令和2年度コロナ禍に突入。同3年2月に「第18回世界剣道選手権大会」(フランス・パリ)の中止が決定し、強化に関する事業は全て中断しました。
翌4年7月に次期「第19回世界剣道選手権大会」イタリア開催が決定。その後、代表選手選考規則に順規し、選手選考委員会の議を経て、強化候補選手男女各30名を選考し、同年8月より「第1回男子強化候補選手訓練講習会」を皮切りに男女の強化を再開しました。
強化訓練では、監督・コーチ主導のもと、「日常生活、稽古への姿勢を今一度見直し、剣技に優れるだけでなく親しまれ応援される人間性」、「世界の剣道愛好家の範となる礼法、所作事、基本動作」等、日本代表選手としての資質について候補選手へ厳しく指導してきました。また、訓練内容においても、素振り・切り返し・基本打ち・技の稽古・打ち込み・掛かり稽古等、量と質で高いレベルを追求し、基本稽古で練り上げてきました。世界の模範となる選手を世界大会に送り出すため、「常に先を取る」「攻め勝って打つ」ことを徹底し、「強く、正しく、美しい剣道」の実践に向け、大会出発まで最善を尽くす決意です。
選手選考においては、30名から3度の選考委員会が開かれ、試合結果、各大会の成績、また最終段階では会長・副会長等執行部を含む選考委員会委員の総見を経て、男女10名を選出し、内定に至りました。惜しくも選出されなかった選手には今後更なる飛躍を期待すると同時に、切磋琢磨した全強化選手の心と共に世界大会に臨む覚悟であります。
結びに、この1年半の強化訓練講習会において、男子はアメリカ遠征、男女の韓国SBS大会への派遣など強化に配慮して頂き感謝申し上げます。選出された男女各10名と共にスタッフ一同は、残された期間で万全を期し、イタリアの地で日本剣道界を背負い命懸けで戦って参ります。応援よろしくお願い致します。
*第19回世界剣道選手権大会へ向けては、月刊「剣窓」2024年4月号に掲載したものを再掲載しています。
*大会の詳細は、第19回世界剣道選手権大会ページよりご覧ください。