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大会のみどころ
- 行事名:
- 第64回 全日本剣道選手権大会
- 開催日:
- 2016年11月03日(木)
- 会場名:
- 日本武道館
西村の連覇あるか はたして混戦を制するのは
第1ブロック は、土谷、足立、高見、地白、北浦を有力とみる。土谷は、本来の遠間からの面技が積極的に出せて、それにつられ相手の手元が上がるところを小手へと変わる攻め筋へ持ち込めれば上位進出も。が、1回戦の上宇都との相性は今ひとつ、混戦必至。足立は、前さばきが柔らかく出ばなと返し技が得意の試合巧者。高見は、昨年初陣でいきなり8強へ、小刻みな攻めからテンポ速く技を繰り出す気風(きっぷ)の良さが持ち味。しかし初戦の相手はベテラン内田、両者PL学園高の同門、29歳vs36歳、時空を越え相まみえる。地白は、体勢を崩さず中心を割っての突き、そして小手から面へ、打突力が強い武骨型。北浦は昨年、4度目の天皇盃獲得にかけた内村良一を2回戦で撃破し8強入り。同じ起動で発する面または小手は相手からすれば技の感知しづらい難敵。その内村は本年、東京都予選敗退の憂き目を見る。
第2ブロック は、升田、西村英、國友、佐藤、正代らが有望。升田は、守りが固く近頃とみに安定感を増す。また、相手の手元を浮かせての技が巧み。そして昨年の覇者西村は、抜群の安定感をたくわえ、色のない面技と下からの小手、上下裏表が自在につかえ、また鍔競り合いから絶妙なタイミングで放つ引き技が勝負強さを裏打ちする。連覇への手応えは十-國友は、常に攻め気が強く決して退かず、連動的に繰り出す技で相手を仕留める。佐藤は県警の新人、筑波大時代から勝負強く、柔らかい剣さばきで、返し技を得意とする。正代は、実力を出し切れば間違いなく優勝候補筆頭。だが相手を視すぎる癖あり、そこの居つきが最大の難点。昨年の世界大会(団体)でみせた積極的な仕懸けが再現できるかどうかがカギ。本年の女子選手権大会で2度目の優勝に輝いた妻、小百合さんとの正代カップル優勝に大きく期待がふくらむ。また1回戦、対する最多11回出場の原田がどこまで意地を見せるか。さらには一昨年優秀選手に選ばれた西村健も隠れもない存在。
第3ブロック は、東永、笠原、真田、安藤、江島を挙げる。10回目出場で錬士七段の東永は、経験を生かし落ち着いた剣さばきで勝算を見はかる、体にキレがあれば上位進出の可能性も。パワーが持ち前の笠原は、このところ更にアップした感がある。連続技から出ばな小手と相打ち小手からの面技を武器とする。真田の防御の堅さは折り紙付き、相手がジレてくれればしめたもの、台風の目にも。安藤も優勝候補の一角を占める実力者。ただ、変則技と上段が苦手のきらいあり。江島は、どんなタイプの相手方にも自-ペースに持ち込む器用さと数多くの得意技を持ち、はまれば上位へ。
第4ブロック 、まずは川木―鈴木克、両者全く違うタイプのこの一戦は見もの。川木は、錬士七段で最年長の39歳、勝負師でならす東北の勇。一方の鈴木は、大柄で一見ゆるやかな風貌を装うが、打突の好機を逃さず相手が居つけば透かさず諸手突き、決まらなければ次の技へと、途切れることなく技をくり出し有効へと繋げる。中ほどに位置するのは本年の全国教職員大会で個人優勝を果たした大石、オーソドックスな剣風で聞こえる名剣士。ブロック下段は勝見、小谷、畠中が混戦模様。この3者は過去に2位・3位の入賞経験を持つ。勝見は、出ばな面、また面の軌道から変化させての小手を得意技とする。小谷は、面を打つとみせ小手、小手を打つとみせ面の陽動戦法を駆使し数々の実績を重ねる。畠中は、突きを攻め手元を浮かせての小手、相手を自-間合に引き込んでの出ばな小手、連続技小手面の小手から面へ移る狭間を小手に切って取るのが得意。これら3者には初戦で武田、富松、桐石とそれぞれ堅敵が行く手を阻む。
はたしてこの混戦の頂点に立つのは誰か。ぜひ日本武道館にご来場のうえ観戦されたし。
剣窓編集委員・真砂 威
▲ 写真は、前年度、第63回全日本剣道選手権大会 決勝戦 西村選手 vs 勝見選手
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