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大会のみどころ
- 行事名:
- 第9回 全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会
- 開催日:
- 2017年07月15日(土)
- 会場名:
- 日本武道館
女子の総力戦 連覇へ意気込む大阪
本大会は、女子剣道の隆盛に鑑み平成21年から、旧来の全国家庭婦人剣道大会を標記の大会に改編したもので、今年で9回目を数える。
試合は、各都道府県剣連から年齢各層の代表者によって戦われ、春に大阪で行われる全日本都道府県対抗剣道優勝大会が男子の総力戦とするならば、本大会は都道府県あげての女子の総力戦と位置づけられる。
選手は、[大会要項抜粋]の[出場選手資格および選出方法]に記された5名で構成される。選手・監督名は[出場選手・監督一覧]を参照のこと。
本大会は、3年前の第6回大会から全て女性の審判員で審判を行うこととなった(審判長、審判主任を除く)。まさに女子剣道の隆盛を印象づける大会としてしっかりと根付いてきた。
昨年は、強豪と目されながらも低迷を続けていた大阪がようやく復調を見せ、初の決勝戦に躍り出る。一方は、前年(第7回大会)優勝の岐阜がまたしても快進撃を続け決勝戦に進出、連覇に王手をかける。
大阪–岐阜となった決勝は、大阪が先鋒戦を失うも、次鋒・中堅・大将が勝ちを収め、大会8回目にして初の優勝旗を手中にした。
優勝チームの横須ます子監督は、「前2人を後ろ3人が盛り立てて繋ぎ、大将も大事な所で仕事をしてくれました。決勝戦では先鋒が一本取られても、めげずに一本返してくれたのが勝利に繋がったと思います。負けはしましたが悪い負け方ではなく、次鋒で取り返してくれました」と試合をふり返り選手の頑張りを讃えた。
さて、本年はいかなる戦況となるのか。
第1ブロック
このブロックは、優勝1回2位3回という過去の実績からいって岐阜が断トツの存在と言えよう。甲木監督以下、竹村・岡安・荻田の後ろ3人は優勝の第7回大会から連続して出場、安定した布陣で臨む。
対抗となるのは長崎か。ただ、今までチームを引っ張ってきた福田美佐子はじめ有力選手がすべて姿を消し、メンバー一新となったため実力のほどは未知数。
また、広島も有力視されるが、長年大将を張ってきた山田が今年は監督に上がり、これまた選手総入れ替えとなったため容易にチーム力は読めない。
そんななか比較的安定した実力をコンスタントに発揮しているのが兵庫である。昨年優秀選手となった尾﨑以下、村山・津田と連続出場の県警3人組が更に結束を固め上位進出を目指す。
また、今まで目立ったはたらきのない愛媛だが、富永を機軸に安田・松木・三木と昨年に続きキャリアを重ね一矢報いるべくチャンスをうかがう。同じく、福川・興梠の二枚看板を掲げる宮崎と、勝負強い図末・山崎をかかえる千葉も侮れない存在である。
第2ブロック
このブロックは、強豪チームがひしめき合う今大会一番の激戦区である。その中で本命と目されるのが、過去優勝1回3位3回の実績を有する埼玉。埼玉は、全日本女子剣道選手権大会(選手権)最多5回の優勝を果たした村山を擁して2度目の栄冠を目指す。
それに次ぐのは昨年3位の岡山か。岡山は、選手権2回制覇また世界剣道選手権大会(WKC)団体で日本の連続優勝に大きく貢献した小津野を要に髙馬・忠政の3選手が昨年に引き続き顔を並べ1ランク上を狙う。
以下有望チームを挙げると、福岡は、前2人の妹尾・糸山がしっかり牽引役を果たし後ろに繋ぐことができれば、優勝戦線に食い込むことも可能。初戦で対する奈良には一筋の光明、小角がいる。糸山との次鋒戦が対福岡戦のポイントで、堀尾・鎌塚にまで回せるか、やりくりが面白い。
地元東京は、本大会にかぎって成績は極めて低調であり、遺憾。昨年の全国警察選手権大会を制した阿部はじめ選手の実力は申し分無し。チーム一丸となっての奮起に期待する。
京都は、後陣に長澤・杉本・田中と歴戦のつわ者を配し上位進出の機をうかがう。
本大会唯一、優勝2回(第1回・第6回大会)の新潟は、ここのところ低調気味。昨年、全日本女子学生選手権大会の栄冠を手にした小川と、過去2回優勝時のメンバーであった荒川を主軸に捲土重来を期する。徳島は、初戦の新潟といかに戦うかにかかる。平野・北村を中心としたチームの差配が明暗を分ける。北海道は、実力者の吉田・渡邊・北本のはたらきが勝敗のカギとなろう。
特筆すべきは本大会唯一、先鋒から大将そして監督まで昨年とそっくり同じ陣容で臨む三重の存在である。山村監督のもと先鋒松村から大将井上まで学年・年齢を一つづつ上げ、担任持ち上がりのごとくチームワークよろしきを得て必勝を期す。
第3ブロック
佐賀は、第3回大会に優勝して以来、不調が続きベスト16の壁に苦しむ。今年は優勝時中堅の宮﨑(旧姓、庄島)を副将に、小田・櫻木が昨年に続いて要所を締め、再び上位戦線に這い上がりたいところ。
神奈川は、実力がありながらも未だ優勝経験はなく、2位となった第5回大会以降いずれも3回戦で敗退。今年こそ、選手権・WKCともに制した松本を柱に、田中・黒澤と連続出場組で固め、上位戦線にて勝ち名乗りを上げたいところ。
熊本–大阪は、本大会1回戦一番の見もの。熊本は新鋭の藤﨑、選手権・WKC等で活躍する渡邊、嘗ての選手権者でWKC団体優勝の実績を持つ緒方と強者を揃えて挑む。対する昨年優勝の大阪は、選手層の厚さを見せつけるかのように、優勝に大きく貢献した大将の石田を監督に押し上げたほか、選手を総入れ替えし、新たに金看板、選手権連覇・WKC等で名を馳せる山本を中堅に据え、連覇にかける意気込みは強い。
第4ブロック
このブロックは、第4回大会優勝、第6回大会2位の茨城が有力。実力の安定している大将落合の下、新進の髙野・藤本・西がどのようなはたらきを見せるか。
福島には将来有望視される佐藤が居り、チームをどこまで引っ張っていけるか。1回戦で対する鳥取も未詳ながら、門脇監督以下、見崎・森田・池口が昨年から引き続いて場をこなす。
地道に実力を上げつつある長野と歴戦者を配した鹿児島は興味ある一戦。副将の須坂–下川がキーポイントとなろうが、後ろに回せば澤田と嘗ての選手権者西との一戦が待ち構える。この勝者と対する昨年3位の和歌山は、新鋭の前3人と昨年から引き続き副将林、大将菅谷がキャリアを生かし更なる上位を狙う。
ブロック下は、大分・愛知を有力と見る。大分、監督の三浦以下、岩本・衛藤・小西が留まり、新たに巧者の笠谷が入りチームに活気を加える。一方、愛知は迫・今道が支え、前2人長田・本村の実力をいかに引き出すかが勝負の分かれ目。
年々盛り上がりを見せる本大会だが、はたして優勝の行方は—-ぜひ日本武道館に足を運ばれ、とくと観戦されたし。
剣窓編集委員 真砂 威
▲上記写真:前年度 第8回大会優勝 大阪府チーム
審 判 長
島 野 泰 山(大阪)
審判主任
岩 堀 透(大 阪) ・ 祝 要 司(愛 知)
中 島 博 昭(東 京) ・ 長谷川 弘 一(福 島)
審 判 員
五十嵐 裕 子(宮 城) ・ 佐 藤 さとみ(福 島)
中 澤 裕 子(茨 城) ・ 今 濵 由美子(埼 玉)
内 野 尚 美(埼 玉) ・ 小野寺 枝 美(東 京)
寺 地 里 美(東 京) ・ 古 谷 崇 子(東 京)
鈴 木 久美子(神奈川) ・ 内 野 葉 子(新 潟)
美 和 しのぶ(静 岡) ・ 石 原 たまみ(愛 知)
山 﨑 広 子(愛 知) ・ 永 瀬 由 香(岐 阜)
石 田 葉 子(大 阪) ・ 西 田 康 子(大 阪)
中 夲 利 子(奈 良) ・ 今 村 智香子(和歌山)
川 原 清 美(兵 庫) ・ 芦 田 環(岡 山)
下 坂 美 和(高 知) ・ 平 野 悦 子(徳 島)
藤 田 弘 美(福 岡) ・ 渕 田 貴 美(熊 本)