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大会のみどころ―いよいよ進む世代交代―
- 行事名:
- 第16回 全日本選抜剣道八段優勝大会
- 開催日:
- 2018年04月15日(日)
- 会場名:
- 中村スポーツセンター
いよいよ世代交代は進み、常連の古川、亀井、船津、重松、佐藤(桂)の二桁出場組、またパワー全開で会場を沸かせた東良が姿を消し、本年は、8回目となる大城戸が最多、新たに14名が初出場という、まさに新進の大会となった。
警察、教職、実業界、刑務官、公務員と、それぞれの職域に身を置き、おのおの違った修業環境で築きあげ培った掛け替えのない技倆、その円熟の極みを披露する。
初戦十六番を見わたしてみると、
- 陽気が漂う、さっぱりとした戦いぶりの新屋 ― 優柔な構えから大胆な太刀筋で射止める山中
- 間拍子に妙味をみせる佐賀 ― 前回またしても連覇、さらに連勝にかけるあの宮崎
- 先(さき)んずれば、とばかり積極的に攻めたてる佐伯 ― 無理なく垢抜けた剣づかいで機をのがさぬ恩田
- 堅実な身構えで正真の一剣にかける長谷川 ― 闊達な剣風で機を逃さずたたみかける平野
- もの柔らかい当たりで聡(さと)く決める石川 ― 大拍子の面を持ち技に果断に攻めかける大城戸
- 精巧な剣さばきで緩急強弱を使いこなす笠谷 ― 勝機をとらえる間の勘所が冴える大澤
- 懸待おりなす勝負どころをわきまえ大胆な一打で決める小山 ― 体圧を剣先に凝集させ臨機即発の構えで挑む坂田
- 本第1回大会覇者で全日本選手権大会優勝3回ほか歴戦常勝の強(つわ)者西川 ― 大様な剣風ながら勝機を逃さず、なお新進、活躍中の宮戸
- 恬淡な物腰で正攻に臨む高木 ― 正中の攻めから果断に技を仕かける染谷
- 仁王立ちにて覆いかける上段の山本 ― 快活な剣づかいで真っ向から攻め上げる栄花
- 重厚にして溌剌な遣いぶり、名うての剣士石田 ― オーソドックスな攻め口からの直線技が冴える浦
- 全身全霊を込め敏活に挑みかける稲富 ― 静寂を保ちつつも内に気魂を宿す大河内
- 整然とした構えから鷹揚に攻める大兵の清野 ― 活気に満ち先んじての攻撃をもっぱらにする清水
- ひたむきな求道剣、捨て身で挑む下川 ― 真一文字な攻撃型、百戦錬磨の江藤
- 質実、謹直な太刀づかいで真正面から挑む清田 ― 壮快な剣づかいで相手に余裕を与えず攻め立てる松本
- 地力十分にして遠間から放つ伸びやかな面が冴える栗田 ― 精気をみなぎらせ敢然と立ち向かう湯澤
いずれも平成が培った究極の剣、ぜひ観戦されたし。
剣窓編集委員 真砂 威
*この記事は、月刊「剣窓」2018年4月号の記事を掲載したものです。
*選手の氏名等は一部常用漢字に変更する場合があります。
*写真は前年度(第15回大会)のものです。