行事の
お知らせ
更新
大会のみどころ—茨城の連覇なるか!今年の総力戦の行方は…
- 行事名:
- 第71回 全日本都道府県対抗剣道優勝大会
- 開催日:
- 2023年04月29日(土)
- 会場名:
- エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)
コロナ禍以降、令和2年度が中止、令和3年度は延期(12月に和歌山県開催)と異例が続いた本大会も、昨年の全剣連創立70周年記念大会から3年ぶりに4月29日大阪府開催に戻った。剣道界もようやく日常を取り戻しつつ迎えた新年度、各都道府県の総力戦が幕を開ける。
序盤戦の好取組にも興味を惹かれるところだが、大会の特色である年齢・職域によるチーム編成にもみどころが隠れている。
先ず先鋒の高校生、出場選手の中心となる3年生は中学時代に全国大会が中止となった学年。試合経験が少ない分、高校入学後の修錬による地力が勝敗の行方を決める。注目は先月末の全国選抜で活躍した関(福岡)、水口(長崎)。正々堂々とした戦いに期待したい。
次鋒の大学生は、出身地からの出場が大多数。強豪大学を代表する剣士が存在感を示すべく意気込む中、19WKC強化選手の池田(福岡)、木村(鹿児島)に注目する。また、同一大学に籍を置く選手の同門対決も面白い。
五将は、警察職員と教職員及び高校・大学生を除いた35歳未満。実業団剣士、刑務官がその多くを占める。福居(埼玉)、秀徳(静岡)、西村(福岡)ら、学生時代の勝負師が健在か。一方で稽古量豊富な松崎(茨城)もこのポジション。連覇を目指す茨城県は五将で確実な勝星が欲しいところ。
中堅の教職員は、出場選手の年齢幅(23歳〜39歳)が広く、攻めて一撃にかけるベテラン勢と動きで勝る若手の対戦が興味深い。注目すべきは、安藤(東京)、林田(福井)の強化選手。両名の中堅必勝にチームからの期待がかかる。
三将の警察職員は、全日本選手権出場者が名を連ね、実力が拮抗。ここでの1勝はチームの勝利を引き寄せる一獲千金の価値あり。星子(東京)、久田松(愛知)、草野(大阪)、牧島(福岡)らの強化選手が勝利をもぎ取れるか。
副将は、五将同様の職域で35歳以上。過去の実績よりも今の修錬が問われる年代。学生時代の強者に地道な稽古を重ねる選手が土をつけるケースも珍しくない。副将の働きがチームの勝敗の鍵を握る。注目は昨年優勝の立役者、機会を逃さない上段の矢口(茨城)。
大将は、50歳以上で七段以上、唯一職域に制限がない。したがって大将戦は、名実ともに各都道府県の50代トップ選手がチームの明暗をかけて対峙する。今大会は18名の八段が大将として出場。勝負がかかった大一番で、鍛え抜かれた若手八段の戦いから目が離せない。
昨年優勝の茨城は、今年も戦力が充実。各職域の層が厚い東京・大阪・神奈川。バランスよく実力者を配置する千葉・埼玉・愛知・兵庫。昨今の地元開催国体で急成長の栃木・鹿児島・佐賀。高校・大学の前衛に強者が揃う福岡・熊本。はたして今年の総力戦を制するのは…。
*この記事は、月刊「剣窓」2023年5月号の記事をホームページ用に再編集して掲載しています。
*選手の氏名等は一部常用漢字に変更する場合があります。
*写真は第70回大会のものです。