皆様、新年あけましておめでとうございます。
「新型コロナウイルス感染症」が漸く落ち着き始め、皆様穏やかで良いお正月を迎えられたのではないかと思っております。昨年を振り返りますと、日本においては猛暑日記録の更新及び線状降水帯の発生に悩まされました。被災地域の皆様にお見舞い申し上げます。世界ではウクライナやパレスチナでの戦闘など連日マスコミで報じられる事件が起きております。
このような中で、私ども全日本剣道連盟は、昨年も多くの事業を計画し、それに沿った活動を行ってまいりました。いろいろな大会で活躍された選手の皆様、それを支えて下さった関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
さて、剣道界では「コンバットゲームズ」という格闘技の大会が昨年10月にサウジアラビアのリヤドで開催され、久方ぶりに世界レベルの大会に選手団を派遣することができました。結果は日本選手団の圧勝で終わりましたが、礼節を尊ぶ剣道を世界に知って頂く良い機会になったと感じております。
また、今年は7月にイタリアのミラノで「第19回世界剣道選手権大会」(19WKC)の開催を予定しております。日本選手団の優勝は至上命題ですが、剣道をより広く世界に普及できる良い機会になればと感じている次第です
昨年、国内の大会では「全日本女子剣道選手権大会」を9月にジェイテクトアリーナ奈良で、「全日本剣道選手権大会」を11月に日本武道館で開催したのを始め、多くの全剣連主催大会を開催いたしました。また、全剣連が共催・後援する「全日本少年少女武道(剣道)錬成大会」、「全国高等学校剣道大会」、「全日本学生剣道選手権大会」、「日光剣道大会」、「全国道場少年剣道選手権大会(男子・女子)」など多くの大会が開催されました。こうした数多くの大会を開催できることを大変うれしく思うと共に、剣道をここまで発展させてくださった先輩の方々に心から感謝申し上げます。
一方、我が国の少子高齢化は、剣道にも影響を及ぼしております。剣道の未来への継承のためには、少年少女への剣道普及が大きな課題です。そのような中、全剣連は新たな取り組みとして「幼少年女子ブロック講習会」を数年前より開催しております。これは、現役アスリートを講師として招き、少年少女との交流を図る他、女性剣士の資質向上を図る目的で開催しております。
令和6年度の国内行事について申し上げますと、令和5年『剣窓』12月号で掲載しております通り「全日本剣道選手権大会」と「全日本女子剣道選手権大会」を11月に日本武道館で同時開催いたします。より多くの方々に来て頂けるよう工夫をしたいと思っております。
また、京都での「全日本剣道演武大会」は、コロナ禍で中止していました「朝稽古」を再開し、多くの観客を入れ、従来の方法での開催を予定しております。
その他の主催大会も、コロナ禍前の状況と同様に多くの方々に参加・観戦頂けるよう運営を検討いたします。さらに審査会につきましては、例年通り、各地で開催する他、コロナ禍で中断していた「北海道」・「沖縄」の地方審査を再開する予定です。
なお、各種講習会・研修会につきましては、従来と開催方法を若干変更しての開催を予定しております。開催期日・会場等の詳細につきましては、3月の理事会・評議員会を経て確定する予定です。
最後に、今年はフランスのパリで夏季オリンピック・パラリンピックが行われます。先程も触れましたが、剣道界では、19WKCがイタリアのミラノで開催されます。これを盛り立てるのにどのようなことができるのか、将来の剣道の海外普及のためにもいろいろ考えていく所存です。
公益財団法人全日本剣道連盟 会長
網代 忠宏
Tadahiro AJIRO