審査会
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居合道六段審査会(東京)
- 開催日:
- 2014年11月15日(土)
- 会場名:
- 江戸川区スポーツセンター
審査員の寸評(実技)
平成26年11月15日、東京都江川区スポーツセンターにおいて居合道七・六段審査会が開催された。六段216名、七段97名、年齢幅のある修錬された居合が粛々と演武され、今後の指導者誕生に期待がかけられる意義ある一日であった。審査員の使命と責務・留意点などについての審査員研修の後、指定技が発表された。審査会では何度も出題された三・六・十本目である。
正しい居合道の発展(徹底)につながる重要な場面であることを肝に銘じて審査席に着いた。京都での中央講習会の内容に重ねて見た時、濃い修行も多かったが、一層の理解が必要と感じたのは次の点である。
三本目「受け流し」
◎「突然立って切り下ろしてくる」敵である。目は初めから上を向かないはず。
◎「体をかばった姿勢」「受け流し……刀を止めることなく」が不完全である。居合腰の体勢(両足がイの字のような形)がとれないと「受け流し」にならず、一連動作につながらない。この技の体勢づくりは大変難しい。指導要点(H22)に照らして一つ一つの動作丁寧に行い、その意味合いを体得して欲しい。
◎「袈裟に切り下ろす」方向が違ったり、刀が体の中で止まったり体が前傾したりする。また左足を引いてから切り下ろすと、剣体一致と間合に不合理が生じる。敵の状態を正確に理解して技を行うことが大切である。
居合道七・六段審査六本目「諸手突き」
◎あごまでの抜き打ちは、「上体を左に開いて」である。左腰が後方に引けると抜き打ちの威力がないものになる。
◎抜き打ちの後「直ちに後ろ足を前足近くにおくりながら……」においては、足が揃う人、左足が右足を追い越す人が多い。このことは足の問題だけでなく、敵への意識(間と間合)と腰の運用(気・体・剣)に重要な意味があることを考えていただきたい。
◎刀が頭上で一旦止まったり剣先が弛んで切り下ろしたり、上半身に反動が見えたりするのはなぜか。切ることを急ぐため柄を握り込む、左右の手を密着させた状態で切るなどが、刀と身体の自由を奪っていること(不合理)に気づいてほしい。
十本目「四方切り」
◎敵右こぶしへの柄平打ちは、目線を下げてはならない。左斜めの敵には、〝脇構えにとる〟となってはいけない。「四方の敵の殺気を感じ……」とある。この緊迫の中に居ることを意識すれば、気使い、(流れ)も臨場感ある表現になるであろう。
その他
演武中の着装のくずれ、踵周りの体運用、鞘引き不具合による鞘鳴り、なども気になるところ。本年度の中央講習会では、全剣連居合の丁寧な解説と模範がはっきりと示され、居合に魂をいれることが強調された。一本目「前」の正座の姿勢にあるとおり、「遠山の目付となり気は四方にくばる」この〝観〟は常に持ちたいもの。今一度解説書を読み直し、業の真意を確認されることを望む(歩みと挑戦の過程が〝よき道〟となると信じて)。
行事概要
- 行事名
- 居合道六段審査会(東京)
- 開催日
- 2014年11月15日(土)
- 会場名
-
江戸川区スポーツセンター
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西4-2-20
東京メトロ東西線 西葛西駅下車 徒歩6分JR新小岩駅南口から都バス「小島経由・西葛西行き」西葛西駅下車 徒歩6分