公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(福岡)

開催日:
2023年08月27日(日)
会場名:
福岡市総合体育館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
604 157 26.0% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 福岡市総合体育館において8月26日、27日に七段、六段の段位審査会が実施されました。見事合格された皆さん誠におめでとうございます。今後高段者として新たな目標に向かって精進されることを期待いたします。また、残念ながら不合格となられた方々は捲土重来を期して、次回の審査会に臨んで頂きたいと思います。

 第一会場の審査を担当し感じたことを述べさせてもらいます。最も若い年齢の受審者で勢いがあり、打ってやると意気込みが強く感じられ、気迫あふれた立合いで良い所もあったのですが、機会でもないのに無理に仕掛けて打突部位に届かない、お互い相打ち面ばかりになりそれに終始したといった立合いもあり、初太刀に至るまでをもっと大切にして欲しいと感じました。また、審査の立合い以前の問題で面紐が長い受審者もおり高段を目指しているならあってはならないことです。

 段位審査では短い時間で自分の最も良い技を出すことが必要となります。「触刃」「交刃」の間から「一足一刀」の間となり打突する過程で「攻め」「溜め」が充分な状態を作って捨てた技を出しているかが大切な所です。中には蹲踞から立ち上がりながら掛け声をかけ、剣先の錬り合いもなく自分勝手に技を出す受審者が見受けられ、重みがなく無駄打ちとなり、六段以上に追加される着眼点の「理合」「風格・品位」が備わっているとは言えません。立合いの礼から蹲踞、立ち上がっての剣先の錬り合い、最初の掛け声、攻めから溜めを作ることにより自ずと風格・品位が作られ、理に適った技に繋がると思います。

 審査を受審すると合否は別として多くのことを学ばせてくれます。今回の経験を活かし、皆さん方が益々御精武されることをお祈りいたします。

嶌末 秀一

審査員の寸評(剣道形)

 今回、福岡での剣道形審査を担当して感じたことを述べさせていただきます。今年は例年になく、異常なまでの猛暑とコロナ対策の中で行われました。

 この様な状況の下、形稽古も思うように出来なかったのか、七段審査で数名の不合格者が出ました。せっかく実技審査で合格したのに、実に残念な結果となりました。只その方々を見ておりますと

一、先ず、形の審査が審査科目に何故含まれているのか、その重要性を理解していない。それの意味は「刀法の原理」「攻防の理合」「所作・礼法の規範」が出来ているかが判断出来るからだと思います。

二、形稽古の修錬不足が見受けられる。日頃は竹刀稽古を主にしており、審査目前になって、急に形稽古をするのではなく、一日一本でもいいので、形稽古を行ってほしいものです。竹刀稽古と形稽古を、車の両輪のように修錬することにより、剣道上達に必要な全ての要素(所作・姿勢・呼吸・理合・技術等)が身に付くものなのです。

三、最後に、指導者としての自覚を持ってもらいたいものです。七・六段ともなれば、指導的な立場になり、後進に剣道形を正しく伝える責任があります。順序を覚えるだけでなく、形の具体的な理合の内容を理解し、習う者が納得する説明が出来るようになることが必要なのです。

 以上所見を述べましたが、剣道形の修錬は我流で稽古するのではなく、「しかるべき指導者」の指導を受けることが大切です。

 更に、不合格になった方は勿論ですが、合格された方々もこれを契機に『日本剣道形解説書』を再度熟読吟味され、指導者としての更なる高みを目指し、自己研鑽をお願いする次第であります。

宮川 英俊
*この記事は、月刊「剣窓」2023年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(福岡)
開催日
2023年08月27日(日)
会場名
福岡市総合体育館
〒813-0017福岡市東区香椎照葉六丁目1番1号
JR鹿児島本線『博多駅』より 『博多駅』 → 約8分 → 『千早駅』下車 西鉄バス『千早駅前』行先番号[1][快1] → 約15分 『福岡市総合体育館』バス停 → 徒歩 約1分
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