審査会
更新
剣道七段審査会(岡山)
- 開催日:
- 2012年08月25日(土)
- 会場名:
- 岡山県総合グラウンド 体育館(桃太郎アリーナ)
審査員の寸評(実技)
「忠孝勇武」桃太郎伝説の地、岡山市での七・六段昇段審査会は残暑厳しい中、約二千名の受審者で活気ある昇段審査会となりました。見事、難関を突破し、合格された皆様には心から御祝いを申し上げます。惜しくも、不合格となられた皆様はその原因を追究され、次の機会には一人でも多くの方が合格されることを願っています。今回、2日間共第一会場の審査員を務めさせていただきましたので、第一会場を中心に感じたことを申し述べさせていただきます。
一、 無駄な動きが多すぎること
ヨーロッパに「浅い川ほど、音がする」という格言がありますが、「早打ち、無駄打ち」は自信が無い証です。限られた時間内に結果を出さなければならず、逸る気持ちもわかりますが、立ち上がると同時に打ち込んで出ることは理解できません。初対面の人にいきなり両方から自分の言い分をぶつけるようなもので、会話になりません。「話し上手は聞き上手」です。相手を観察する位の気持ちに余裕がほしいものです。勝敗を争う試合であれば、無駄な打突は出さない筈です。「失敗しても、やり直しが出来る」安易な気持ちから、緊張感に欠ける立合いになっているように思います。
二、攻める気持ちが強すぎること
「過ぎたるは猶、及ばざるが如し」、攻めての打突は大切なことですが、気持ちが強すぎて身体が硬くなり、足が居ついてしまいます。当然、剣先の冴えも失われ、スムーズな打突には繋がりません。有効な攻めは、豊富な経験と技量、知識が備わってこそ会得できるもので、自分が意識しなくても相手が感じてくれるはずです。強引な攻めは相手の防御を堅くさせるばかりではなく、逆に打突の機会を与える結果となります。
特に感じましたことについて申し述べさせていただきました。
が、些細なりとも、風格や品位を考えた立合いができていれば、もっと多くの方が合格していたと思います。
仏法に「動執生疑(どうしょうしゅうぎ)」という教えがあります。誰しも自分の行いや考えは「正しいに決まっている」と思い込みがちですが、そんな先入観も、時には疑いの心を生じさせ、執着を打ち破らなければ前進はできないと教えています。剣道を変えようと思えば、執着する心を捨てることです。心が変わらなければ剣道も変わりません。
審査員の寸評(剣道形)
今回、八月末の岡山審査会、多くの合格者がうまれました。暑中稽古等で充分稽古された結果と思われます。皆様に心からお祝い申し上げます。
稽古は形の様に試合は稽古の様にと言います。形は制定されたかたちを正しく、正確に稽古を為し、守を乗り越えて破から離へと修行します。新しく昇段された皆様は剣道高段者として、ぜひもう一度、『日本剣道形解説書』をお読み下さい。
若干名の不合格者がおられましたが、多くの合格者の方も、満点の方は少なかった様に思われます。
他の審査員のご指摘を含め具体的に申します。
一、五行の構えを正しく習得する。
小太刀の構えは、剣先の高さに注意。左手の構えについては、木刀の場合は親指を後ろに、四指を前にして腰にとる。
二、太刀、小太刀、全部において
打太刀、仕太刀は打突部位を正確に打突する。 太刀三本目、打太刀は水月を突き、仕太刀は打太刀の胸部へ突き返すが、どちらも正確に行う。 太刀四本目、互いに相手正面に打ち込む際、切り結ぶ位置が高い。 太刀七本目、打太刀、仕太刀の胸部を突くが、顔面を突いている。 小太刀二本目、仕太刀は刃先を後ろにし、右鎬で受け流すが、多くの方が、受け流しが正確でない。
三、目付け。
太刀七本目、打太刀体を捨てて仕太刀の正面に打ち込む。この時、打太刀の目付は一時仕太刀から離
れるが、仕太刀も目付が離れる。形全部において、一時的に相手から目付が離れるのは、太刀七本目の打太刀のみである。
四、 打太刀、仕太刀のこと。
打太刀(師の位)仕太刀(弟子の位)を理解し、呼吸をあわせる。良く理解し、稽古されます様お願いいたします。
等々でありますが、七・六段は剣道高段者として、指導者であります。益々の御精武を祈念申し上げます。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(岡山)
- 開催日
- 2012年08月25日(土)
- 会場名
-
岡山県総合グラウンド 体育館(桃太郎アリーナ)
〒700-0012 岡山県岡山市北区いずみ町2-1-3
徒歩・ JR岡山駅西口から 北へ約1.5km 約20分バス・ JR岡山駅西口から 約10分(スポーツセンター前下車)・ JR岡山駅東口から 約15分(スポーツセンター前下車)・ 岡山空港から 約30分(スポーツセンター前下車)