審査会
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剣道七段審査会(愛知)
- 開催日:
- 2017年05月13日(土)
- 会場名:
- 名古屋市枇杷島スポーツセンター
審査員の寸評(実技)
5月13日(土)、14日(日)名古屋市枇杷島スポーツセンターで行われました審査会で見事に合格されました皆様に心からお祝いを申し上げます。私は2日間にわたり5会場を担当しました。七段は午前中49歳~52歳、午後は67歳~70歳で、六段は午前中44歳~47歳、午後64歳~68歳が対象でした。審査員として感じたことを述べさせていただきます。
- 構え
- 打突と機会
- 自分の打ち間から一拍子の打突を心掛ける(決して打ち急がないこと。気後れしないように)。
- 常に先を掛け迷いのない思い切った技を出す。
- 攻めて相手を引き出し攻め勝った状態で打突する。
- 一本一本をしっかりと打ち切ること。
- 捨て切れるまでの打突が出来るようになる。
- 気の継続は、縁を切らず、技に行くことにより次の打突の機会へと繋がる等です。
構えは稽古の積み重ねから出来上がるものであり、稽古では、左手、左腰、左足を意識しながら左手の拳を納めることです。相手の攻め、打突に対して崩れない構えが大事。打たれまいとせずに、打たせないこと。しかも体勢が崩れないこと。相手の剣先を気で制する位の気迫が必要です。
そして常に自然体で臨むことが肝要であり、自分の剣道で普段の稽古の力が存分に出せるように今一度、基本を大事にされて今後のご精武を心より祈念致します。
審査員の寸評(剣道形)
名古屋における剣道形審査について所感を述べます。
今回の形審査について特筆すべきは、七段15名、六段34名と多くの女性が晴れて合格されたことです。特に七段審査において、最年長86歳の女性が端正な姿勢と手順を外さぬ形は立派なものでした。まさに〝生涯剣道〟の実践者として、後進に大いなる励みをあたえることと敬意を表します。
日本剣道形を修錬する意義は「刀法の原理」「攻防の理合」「作法の規範」を修錬することにあります。しかしながら、現代剣道は競技化が進んでいて、なぜ形の稽古が必要なのか、現代剣道とのつながりが分らないために、形の稽古を軽視する風潮があるのは否めません。
現代剣道における形と競技の問題を考える場合、確かに、かたちから入る日本剣道形は、剣の使い方や、わざの理合、間合、姿勢などを会得するのに適した教習法ですが、あくまでも約束稽古でありますから、いくら稽古を積もうとも、それだけで相手の動きを素早く「読む」ことや微妙な変化を「予測」したりする能力を身につけることは不可能です。また、実際に相手と打ち合ったりしないので、手の内や体のこなしを会得するにも限界があります。
先人たちは、こうした限界を知った上で、剣道具を着用し竹刀で打突し合う「竹刀剣道」に移行したのです。その点からしても、両者は〝基礎〟と〝応用〟という補完関係にあり、併存して互いに欠点を補いながら剣道という文化をつくってきたことを忘れてはなりません。
「形は稽古の如く、稽古は形の如く」という考え方を心掛け、絶えず形と稽古を兼ねて修錬することによって形が生きて、稽古によって道が拓けてくるものと考えられましょう。現代剣道における形の意義はまさにここにあるといえます。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(愛知)
- 開催日
- 2017年05月13日(土)
- 会場名
-
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車