公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(長野)

開催日:
2023年02月18日(土)
会場名:
ホワイトリング 長野市真島総合スポーツアリーナ

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
557 114 20.5% 1


合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 令和5年2月18日・19日新型コロナ感染拡大が危惧される中、万全な感染対策がなされ長野県に於いて七段・六段の審査会が実施されました。

 先ず七段・六段審査に於いて見事に合格されました皆様に心よりお祝い申し上げます。

 この度の七段審査に於いては受審者557名、合格者115名の合格率20.6%。六段審査受審者616名、合格者172名、合格率27.9%となりました。不合格になられた方々にはより一層の努力を重ね次回は必ず合格出来るよう取り組んで頂き再度挑戦してもらいたいと思います。

〈審査に向かってのアドバイス〉
1.立合い
 立ち上がりからすぐさま面打ちを繰り返す事が目立ちます。

 先ず身構え、気構え、何よりも肝心なのは相対した際の充実した気勢、気魄が伝わってくる立合いが大事と思います。

 攻防で相手に攻め勝ち崩し動かし引き出し、相手を遣うことにより打突の好機が生まれます。充実した気勢もなく打突の機会でも無いのに開始早々に打って出る行為は止める事です。そこで打って出ても無駄打ちになり審査員を引き付けることはできません。

2.打突の強度
 一番多く見られるのが打ちの弱さです一本(有効打突)にならない立合いを幾らやっても審査員の心には響きません。有効打突の条件を今一度確認され、身体に叩き込み自然に有効打突が出せるよう日々の稽古に取り組んで頂きたいと思います。

3.体の崩れ
 立合い時間の中で何度も体が崩れる方を見受けられます。小手を打った時、胴を打った時、相手と体当たりして当たり負けをしてしまう。

 ここに体捌きが入れば崩されずにすむので、もう少し体が崩れないようにするにはどうしたら良いのか創意工夫をして頂きたいものです。

〈結びに〉
 剣道は芸術だと言っても過言では無いと思います。

 誰が見ても綺麗な構え、体が崩れず力強い打ち、さらに打突の好機を得とくしてほしいものです。

右田 重昭

審査員の寸評(剣道形)

 全身全霊を捧げた実技審査をクリアして一息つく暇もない剣道形の審査です。殆んどが初めての相手で合わせる事も出来ない実施ですから、満足な出来栄えは望むべくもありません。しかし、この時ほどこれ迄の形への取組みの状態が如実に表れるものです。今回一応合格と認められた皆さんの形は決して満足なものではありません。

 今後、高段者として指導的立場に立つ皆さんには改めて自己の剣道形について謙虚に見直して欲しいものです。見直しの手掛かりとして、次の点を挙げます。

1.個性尊重の時代ですが、相手との関わり合いによる形に求められる心構えを含めた身構えの吟味。
2.太刀の形における打太刀の役割(機を見ての打突、打突部位の高さ・特に二・四・五本目と六本目の小手打ち)仕太刀一本目、自然体で諸手も後ろに引いて剣先方向に抜くこと。

 一・五・六本目の残心を示す際の右踵の上がり過ぎが多いこと。常に反撃に転じられる残心の意味が無くなります。三本目、突きの萎やし入れ方。四本目の間合の取り方と巻き返しの事。五本目、物打ちの左鎬での摺り上げの事。六本目、小さく右鎬で摺り上げる事。七本目、すれ違いながらの胴打ちの際の目付けの事。

小太刀の形における仕太刀の一・二本目の中段半身の構え・入身の吟味。二本目、打太刀の下段からの攻め上げに対する小太刀の変化の事。三本目、すり上げ、すり落し、すり流し、すり込む動作の後の両者のハバキが直角に交わる事。二・三本目の残心の二の腕の押え方と剣先の方向の事などが挙げられます。

 剣道形では緩急強弱の演武が求められます。勇猛果敢な心境は理解出来ますが、多くの皆さんが先を急ぎ過ぎています。そそくさと力んで間合に突入し荒技とも思える早技・力技を展開して早足で元に戻っています。得てして、それらの動作からは剣道形の求める剣道の基本的な内容から逸脱しかねないのです。更なる検討と精進を期待するものです。

佐藤 成明
*この記事は、月刊「剣窓」2023年4月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(長野)
開催日
2023年02月18日(土)
会場名
ホワイトリング 長野市真島総合スポーツアリーナ
〒381-2204 長野県長野市真島町真島2268-1
JR長野駅東口から車で約20分
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