公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(東京)2日目

開催日:
2021年11月24日(水)
会場名:
東京武道館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
429 134 31.2% 0

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 東京武道館において標記審査会が実施され、昨年より1.2倍多い1018名が受審されました。担当した第一会場での所感を申し述べます。

一.身構え・気構え 何よりも肝心なのは、相対した際の充実した気勢・気魄が伝わってくる立合いが大事です。立上りはじめの漲る気が審査終了まで続かない状態では、審査員を引き付けることは出来ません。また、見た目を気にした構えは打突時に崩れます。

二.攻めと崩し 立ち上がるや否やすぐさま面打ちを繰り返すことが目立ちます。高段位においては、攻防で相手に攻め勝ち、崩し動かし引き出して遣うことにより打突の好機が生まれます。

三.打突 予想しての技や決め打ち、溜めのない早打ちが多く、機械的な打突になっています。七段位としての基礎・基本を習得し、有効打突の有無に関わらず、すべて打ち切った打突を期待します。

四.捨て身 打突は機に乗じて、捨て身で打ち切る覚悟が必要です。しかしながら、練度が足りず心気力一致の打突が少ないように感じます。「捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の勇気をもつことが大切です。

 おわりに、審査は単に勝敗を争うものではなく、平素の修錬の成果を体現する場であることを念頭においてご精進ください。

氏家 道男

審査員の寸評(剣道形)

最近剣道形のレベルが向上してきました。コロナ禍で稽古が思うように出来ないのでその分形の稽古をしたとの声を多く聞きました。その結果が出たものと思います。しかし内容については一部をのぞいて作法・動作のみで攻防の理合は修錬されていないようでした。これは現在の形審査の基準が六・七段も主に作法・動作の習得度で判定していることが原因の一つと思いますが、高段者は、形についての意義・必要性をしっかり認識し、理合に則って修錬を積み重ねることが大切です。

形修錬で大切なのは、「気」、「間」です。「先の気位」で進み、間合に接するや「先の気位と気勢」をもって「気争い」を行い、攻め勝って「気力」をもって一刀両断にし、縁を切らずに充実した「気位」をもって残心を示す。形の始めから終わりまで充実した「気力・気迫」をもって実施することが大切です。技は「気」から発するものです。これらは竹刀剣道の理合と全く一致するものです。さらに体力と技は、加齢と共に低下していきますが、「気」はそれに関係なく低下せず修錬により練り上げることができるのです。又、形では色々な場面での「間合」を知ることが出来、「気」と「間合」を修得することにより、高齢になっても壮者を相手に道を楽しむことができるようになるのです。

形修錬するにあたっての注意事項が、剣道形制定の主査としてかかわった高野佐三郎先生著「剣道」の中に次のように書かれております。

「形を演ずるに当りては充分に真剣対敵の気合を込め、寸毫すんごうの油断なく、一呼吸と雖もいやしくもせず、剣道の法則に従い確実に演錬すべし、形に重んずべきは単に其動作のみならず実に其精神にして気合充実せず精神慎重を欠かば如何に軽妙に之を演ずるとも一の舞踊、体操に過ぎざるのみ」

以上、右参考として修錬されますよう祈念いたします。

太田 友康
*この記事は、月刊「剣窓」2022年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(東京)2日目
開催日
2021年11月24日(水)
会場名
東京武道館
〒120-0005 東京都足立区綾瀬3-20-1
東京メトロ千代田線「綾瀬駅」下車 徒歩5分
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