公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(宮城)

開催日:
2024年08月24日(土)
会場名:
本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
743 184 24.8%

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 新潟県上越市の謙信公武道館より引き継ぎ、今回から宮城県仙台市の本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)で実施することになりました。

 剣道七・六段審査会で見事合格されました受審者の皆さん、誠におめでとうございました。平素鍛えた気力と技の全てが、遺憾なく発揮することが出来、心からお祝いを申し上げます。 

 今年度から高齢者から審査が開始になったせいか、特に高齢者の蹲踞が大変気になりました。高齢になると蹲踞がどうしても難しくなり、蹲踞ばかりに気が向きすぎて、対峙した時の、気のまとめが出来ないような感じがしました。いろいろな事情をかかえておられる方がいますので、不十分な蹲踞や立膝蹲踞であっても減点対象にはなりません。相手との立合いを最優先に審査に臨んで欲しいと思います。

 ここ数年の女子の立合いを見ていて、男子と正面衝突をして倒れている人は、ほとんどいなくなりました。体捌き・足捌き・剣捌きが格段に良くなっており、技に磨きがかかってきたといえるでしょう。更なる修錬に期待いたします。

 残念ながら不合格になられた方に申し上げます。

 七・六段を受審される方々は、着装や礼法については日ごろから気を付けておられますので問題はありません。「稽古は試合のように、試合は稽古のように」という教えがありますが、稽古を疎かにすると、試合で泣きを見ることになります。稽古は立合いのごとく、立ち上がりから気を張った稽古を十分積んで欲しいと思います。

 合格するには、「攻める」「溜める」「打ち切る」これが一番大切です。この三つの動きを、一つの動きにするから打突するときに爆発するのです。簡単に言えば、攻めて相手を崩しながら、相手の出方を体で感じ、仕掛技も応じ技も打ち切ることが出来るのです。

 合格している方は随所に相手を攻め崩して技を出しています。次回の審査では、良い結果が出ますことを心から祈念申し上げ、寸評と致します。

蒔田 実

審査員の寸評(剣道形)

 去る8月24日・25日、仙台市青葉体育館において実施された剣道七・六段審査会の剣道形審査を担当いたしました。結果は全員合格でした。心よりおめでとうと申し上げます。

 実技審査の合格率は、近年にない高いものとなりましたが、これは受審者の日頃の努力によるものと心より敬意を表するものです。

 さて、形は竹刀剣道の高まりと軌を一にすると言われますが、実技同様、鍛錬の成果が表れていて好ましい印象を受けました。

 自信に溢れ、迷いなく、緩急強弱を心得て、気迫充分、段位にふさわしい妙味ある形を打った人が多く見られました。「形が良くなった」と云うのが審査員全員の感想であったことを申し添えます。

 しかし、一方では気迫に欠け形の約束事を辛うじてなぞっているような人や、力み過ぎて打太刀・仕太刀の関係を無視して打ち急ぐ自分本位な立会も散見されました。

 気負い過ぎや約束ごとをただ順序よくなぞるだけでは、剣道形の動作・技の陰に潜む心の働き・含蓄・気品などは身に付くはずはなく、剣技を磨き、心を修養することができないので注意が必要で、再考を願いたいと思います。

 日本剣道形は審査のための一科目であるが、剣道の原点をなすもので、刀法の原理・攻防の理合・作法の規範等の手本なるものです。これを正しく理解し、真剣に修錬することで精神が鍛えられ、胆力もつき、竹刀稽古に活かせば稽古の内容が好転するものです。

 審査員の厳しい眼鏡に叶い見事上級者の域に達した皆さんは今後形に対する実践力、指導力が問われることは必定です。現状に甘んじて修業を怠れば、さらなる向上はなく、ただ落ちるだけと知るべきでしょう。自己の剣道の大成をはかり、かつ、指導的立場に立った人として、原点である形の重要性を再認識してさらなる修業に励んで貰いたいと思います。

遠藤 勝雄
*この記事は、月刊「剣窓」2024年10月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(宮城)
開催日
2024年08月24日(土)
会場名
本山製作所青葉アリーナ(青葉体育館)
〒981-0912 宮城県仙台市青葉区堤町1-1-5
仙台市営地下鉄北仙台駅から徒歩約5分
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