公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(福岡)

開催日:
2025年02月01日(土)
会場名:
福岡市総合体育館

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
392 98 25.0% 3

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 令和7年2月1日(土)・2日(日)、福岡市総合体育館に於いて、七・六段の審査会が実施されました。審査会当日、審査員研修会が開かれ、審査に於ける「共有すべき事項」について真砂 威副会長よりお話があり、審査員相互間で認識の統一が図られました。審査内容については、私が担当した第二会場で拝見して感じたことを申し上げます。

 七・六段ともなると当然指導者の立場となります。礼法・着装・所作事を含め、示範しながら身を持って指導に当たらなければなりません。今回は残念ながら、礼法や着装が悪かったり、気剣体一致に欠ける打突等が散見されました。特に3歩で開始線まで行けなかったり、袴の裾が短かったり、色褪せた剣道着だったり、面紐が長い受審者が数多く見られました。相手と対峙して蹲踞までの身構えに、威厳のある堂々とした姿勢が望ましいと思います。蹲踞から立ち上がった時の気構え、身構えに、段位に相応しい風格、品位が備わっていなければなりません。

 蹲踞から立ち上がって、すぐに打突に移ってしまう方が見られました。剣道は緊迫の中、互いに中心の取り合いの攻防から、自分の打ち間に入り、攻め勝って、気剣体一致の打突が求められます。「打って勝つな、勝って打て」と言われる所以です。打突の機会でもないのに無駄な打突、姿勢を意識しすぎてか攻めのない打突になっている人が目に付きました。また攻めすぎても機会は生まれません。引き出すことも工夫してください。審査は短時間です。平素の稽古から短めに集中して、初太刀の一本を取る意識が必要です。

 また機会に合った打突は勿論ですが、合格した方には体にキレや冴えを感じました。つまり体幹がしっかりしているように見えました。打突力をつけるためにも稽古だけでなく足腰などの筋トレが必要だと思います。審査は同年代の方と立合いをします。その中で目立つためには体力が落ちていては話になりません。「人は足から弱ってくる」と言われます。高齢の方は速歩、若い方はジョギングなどして体を鍛えて欲しいと思います。剣道を長く続けるためには食生活や規則正しい生活も大切です。

 剣道は激しいものです。それは不屈の闘志、強固な体力を要します。また剣道は静かなものです。それは美しい姿勢、清い心を要します。更なるご精進を祈念し寸評と致します。

片山 倉則

審査員の寸評(剣道形)

 福岡県に於ける審査会で剣道形担当者として感じたことを述べます。厳しい実技審査を突破して形審査に臨んだ皆さん方の殆どが日頃の形修錬の成果が出た内容でしたが、六段受審者の中で修錬不足の人が若干いました。中でも、太刀の形の審査で、当然、打太刀・仕太刀共、太刀で立会うべきところを仕太刀が小太刀で立会っている人がいました。

 形は定められた約束と順序に従って実施することが決められています。それを守って立会うことは当然のことです。今後、このような事が無いよう願っています。

 全体を通して共通した欠点が見られましたので次に記します。
(1)太刀の五行の構え、小太刀の半身の構えが不十分
(2)横手交差と一足一刀の間合の理解
(3)太刀の形「機を見る」、小太刀の形「入身になろうとするところの打突時機」の理解
(4)四本目の切り結びが高い。剣先を概ね正面の高さで切り結ぶ
(5)七本目、突きを支えた物打の交差が高い

 以上ですが、今後更なる研鑽を重ね、剣道の内容を一層向上させるよう修錬してください。そして今一度『日本剣道形解説書』『剣道講習会資料』を熟読、理解すると共に、良き指導者から教えを受け充実した形の修錬に努め、正しい剣道形を伝承されるよう念願し寸評といたします。

太田 友康
*この記事は、月刊「剣窓」2025年4月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(福岡)
開催日
2025年02月01日(土)
会場名
福岡市総合体育館
〒813-0017福岡市東区香椎照葉6ー1ー1
JR鹿児島本線『博多駅』より 『博多駅』 → 約8分 → 『千早駅』下車 西鉄バス『千早駅前』行先番号[1][快1] → 約15分 『福岡市総合体育館』バス停 → 徒歩 約1分
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