指定技、七段は一本目(前)・三本目(受け流し)・六本目(諸手突・き)・七本目(三方切り)・九本目・(添え手突き)・十本目(四方切り)、六段は一本目(前)・四本目・(柄当て)・七本目(三方切り)・八本目(顔面当て)・十本目(四方切り)・十一本目(総切り)でした。
審査で気づいた点を記載します。
一本目(前)柄頭で正中線を攻め、鞘引きで激しく抜きつける(攻めがなく、鞘引きが弱く激しく抜き付けができていない)
三本目(受け流し)目付けと同時に手を掛け、腰を上げながら左足を踏み込み、頭上前方に抜き上げると同時に立ち上がり、右足を左足の内側に踏み込む(右足を踏み込むと同時に鞘離れする、敵に正対せず、体が流れている)袈裟に切ると同時に左足を右足後方に引く。
四本目(柄当て)敵への目付け、確実に部位(水月)に柄頭を激しく当て、右こぶしを動かさず鞘引き、後ろの敵の水月を左手右手の絞り込む(左手はへそ前に絞り込む、右肘を伸ばす)
六本目(諸手突き)右斜め面をあごまで抜き打ち(体が出ていないことによって剣が届いていない)刀を頭上に受け流しに振りかぶる(腰の回転と軸足が大切です)
七本目(三方切り)正面の敵への気攻め(体の攻めが大切)技の一本調子が見受けられた(緩急と間が大切)。
八本目(顔面当て)顔面への柄当ては、確実に部位に当て、後ろの敵を疎かにせず、腰の回転、足捌き(身一つ左へ踏みかえる)。
九本目(添え手突き)右袈裟切り・(確実に肩口へ)、右足を軸に左足を引くと同時に抜き打ちする。
十本目(四方切り)右斜め前の敵のこぶしへの柄当て(正確に手で打つこと)、下半身は正対(半身になっている方がいる)、体捌き、足捌・きによる一重身・間合が必要です。
十一本目(総切り)受け流しに振りかぶり一刀目は手を掛け間をおかず左斜め面から切り下ろす、三刀とも切り込む角度は異なる、腰腹部切るとき、確実に左腹部まで切る(途中で抜けている方が見られた)。
総評として、合格された方おめでとうございます。おしくも、達成されなかった方は今一度研鑽されることをお願いします。「今日も一本、明日も一本と歩み続ける」のお教えがあります。ご期待して寸評とします。
光行良一
*この記事は、月刊「剣窓」2021年8月号の記事を再掲載しています。