公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(愛知)

開催日:
2015年11月15日(日)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,127 264 23.4% 3

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審査員の寸評(実技)

 名古屋審査会が11月14日(七段)・15日(六段)の2日間に亘って開催されました。私は共に第4審査会場を担当しました。

 審査の着眼点として、次の①~⑨が挙げられています。①正しい着装と礼法②適正な姿勢③基本に則した打突④充実した気勢⑤応用技の錬熟度⑥鍛錬度⑦勝負の歩合に加えて六段以上には、⑧理合⑨風格・品位が求められ、高度な技術を総合的に判断し、当該段位相当の実力があるか否かを審査します。

 実技時間は六段が1分、七段が1分半という短時間の中に長年培ってきた技倆を発揮しなければなりません。宮本武蔵は、「鍛とは千日の行、錬とは万日の行、そして勝負は一瞬」と述べています。常日頃から緊張・緊迫する場面を設定して一瞬一撃を心がけてください。

 着眼点①では、紐の縦結びと袴の後ろ下がり、②では、左拳の位置が体から離れすぎたり、高い、③では、打突時に手が早く踏み込み足が遅れる、④では、発声と打突時の呼称が弱い、⑤では、相手の面打突を待った返し胴、⑥では、鍛錬不足で体幹・下半身が不安定、⑦では、自分の攻めの型が不十分なのが気になりました。

 荒稽古で風格を備えさせ、合理的・科学的な身体運動で品位を醸成することが大切です。私は剣道の理合の中でも「先」に着目しています。「先」には、「先々の先」「後の先」も含まれます。先を取るために「見の目を弱く、観の目を強く」します。具体的には速さと早さを意識した稽古を重ねて欲しいと思います。物理的な速さと予知能力による早さを共に身につけることが肝要です。「後の先」も同様です。昇段審査は生涯剣道の一過程での大きな目標です。

 剣道理念を根底に据えて、目標達成に向かって精進し、外来スポーツとは一線を画した剣道の奥深い真の楽しさと充足感を求めて修錬を重ね、人格の陶冶に努められることを期待して寸評といたします。

寺﨑 邦朗

審査員の寸評(剣道形)

 日本剣道形講習における「重点事項」として5項目が記されています。3項に打太刀・仕太刀の関係を理解し……4項に、打太刀は間合に接したとき、機を捉えて打突部位を正しく打突し、仕太刀は勝機を逃すことなく打突部で打突部位を正確に打突すること、とあります。打太刀と仕太刀の関係は、
打太刀は師の位であり、仕太刀は弟子の位です。別な表現をすれば、打太刀は〝本体〟、仕太刀は〝影〟です。従って形を演ずる時は、常に打太刀が先行し、仕太刀は技の起こりにしても、たとえ瞬間的であっても遅れて動くものです。つまり〝影〟である仕太刀が先に動いたのでは、理がないことになります。剣道形では、まずこの打太刀・仕太刀の関係を理解することが大切といえます。また、この関係こそが、日本剣道形に示された心法であり、同時に礼法の根本を成します。いわば打太刀は剣道の稽古にいう元立ちです。

  形合わせのない状態から形を演ずるため、師の位である打太刀の〝機〟の捉え方、間合に難点が多く見受けられました。全般的には、一定の形式、順序を踏んでおり無難にこなしていたと見ましたが、練習不足は否めません。六段以上は上級者と区分され、剣道形を正しく継承し次世代に伝える責任があります。しかし、形はまだまだ昇段審査のためのものという形軽視の風潮を痛感いたしました。ご昇段を契機に一層の修錬を念願する次第です。

島野 大洋
*この記事は、月刊「剣窓」2016年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(愛知)
開催日
2015年11月15日(日)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車
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