公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道六段審査会(京都)

開催日:
2017年04月29日(土)
会場名:
ハンナリーズアリーナ(京都市体育館)
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
876 192 21.9% 8

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 今回の審査において、六段23・1%、七段21・4%という実技合格率となりました。この数字でどのように判断するかは人それぞれであると思いますが、近年の傾向としては上昇の気配が感じられます。めでたく合格された皆様には、高段者として指導的な立場を十分認識され、これからも少年剣士の模範となる剣風の確立を目指して、なお一層の修錬を積まれるよう期待しています。

 次に残念ながら今回思いが叶わなかった皆様には、その要因と考えられる二点を記します。

 その第一は、打突の機会をうまく捉えることができていないということです。今一度打つべき機会を見直してみましょう。そして先生・先輩方が打突を繰り出す前に、どんな崩し方、試み方をなされているかを探しだしてみてください。偶然の技を少しでも必然の技に変えていくことができるようになるために。

 第二は、表だけからの攻め・打突に頼り過ぎているということです。右自然体に構えている中段では、当然竹刀はお互いの表鎬が競り合う形になります。これを意識的に相手の竹刀の幅(2㎝程度)分だけ縦振りに遣って裏からの鎬で競り合う(攻め合う)瞬間を作り出すのです。すると意外にも相手の反応に変化が生まれ、攻め方の糸口を見つけ出すことができます。〝攻めて 乗って 破って 崩して打つ。そして勝ったしるしを技に表すのです〟との先人の訓えがあります。

 どうぞ少しでも自分の理想とする剣風に近づくことができますよう日々の稽古を謙虚に反省し、修錬を積み重ねられ、次回見事に念願が叶いますよう願っております。

藤原 崇郎

審査員の寸評(剣道形)

 七・六段剣道形審査を加藤浩二・太田友康両範士と担当しました。形不合格者が双方に出たのは残念な思いであります。審査員の一人として気づいた点を掲げ、今後の修錬の糧としていただきたいと思います。

 まず、打太刀・仕太刀の役割を理解して打突部位を正しく打突すること。

 次に各本で気付いた点として、

  1.  一本目 打太刀は仕太刀の正面に物打が届かない間合で打ちを出すので、仕太刀は自然体で引く必要がなくなってしまう。打太刀の左のひき付けができない。
  2.  二本目 打太刀が仕太刀の右小手を斜めに打ちながら剣先を床近くまで下げるため、仕太刀が正しく小手を打てない。
  3.  三本目 打太刀は水月、仕太刀は胸部を突くが、木刀の反りに気付かず諸手を伸ばして刃部を下にしたまま突くので、剣先が高く上がって正しく突けていない。
  4.  四本目 切結びが頭上より高い位置で切結び、打太刀は仕太刀の右肺に向けて突けていない。
  5.  五本目 打太刀は仕太刀の木刀めがけて打ち、物打が仕太刀の正面に届かないため仕太刀が正確なすり上げができない。
  6.  六本目 仕太刀の三度の打太刀への攻めとすり上げができない。払いになっている。
  7.  七本目 気当りにおいて打太刀仕太刀共に刃先を下に向けたままにするので双方交差が高くなり、剣先が天に向かってしまう。仕太刀は打太刀の右胴を正しく討てない。
  8.  小太刀 小太刀三本の構えのなか、打太刀に対する剣先のつけ所と構えができていない。左鎬右鎬での受け流しができていない。すり上げ すり落とし すり流し すり込みが正しくできていない。

 以上8点について申し述べましたが、『日本剣道形解説書』を熟読すると共に、特に審査上の着眼点について留意し修錬することが必要です。各段位共に修業の不足を見ましたが、合格者にあっては各種大会等で形の演武をする機会もありますので刀の扱い・着装など種々のさらなる修錬を積むことを願い寸評とします。

岩立 三郎
*この記事は、月刊「剣窓」2017年6月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道六段審査会(京都)
開催日
2017年04月29日(土)
会場名
ハンナリーズアリーナ(京都市体育館)
〒615-0864 京都市右京区西京極新明町1
阪急電鉄「西京極駅」下車 約150メートル 市バス「西京極運動公園前」下車 徒歩1分
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