公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(愛知)

開催日:
2022年11月12日(土)
会場名:
名古屋市枇杷島スポーツセンター

審査会結果

受審者数 合格者数 合格率 再受審者数
860 160 18.6% 1

合格者氏名一覧

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審査員の寸評(実技)

 この度、名古屋市枇杷島スポーツセンターで行われました七段、六段審査会第1会場を担当させて頂きました。その所感を述べさせて頂きます。

 先ずもってこの度七段、六段審査会におき見事合格された皆様に心よりお祝いを申し上げます。また武運拙く不合格になられた方々には捲土重来を期して再度挑戦をして頂きたいと思います。

 どうか一喜一憂せず人格形成の修行と思い継続をお願いします。

1.審査の準備を怠らない
 自分の味方になってくれるのは、剣道具、竹刀そして身体に合った剣道着、袴です。面紐の長さは如何ですか、剣道着、袴は色褪せていないか。弦の張、中締めの位置。
 以上の事を充分に確認して審査に臨む。
 高段位になる皆様は審査における心構えとして日常生活においても同様に人の役に立つ行動をして貰いたい。

2.品格を養う(構え、姿勢)
 構え、姿勢、打突、品格は段位に相当する。皆様はよくよくご存じの事と存じます。知っている事と表現する事は往々にして違う場合がある。何卒、目上の先生に確認を頂きご指導を賜って下さい。大事な事は、竹刀の握り方、構え、姿勢、打突の強度です。簡単が一番難しい。小さな事の積み重ねが大事。

3.合気になる(溜めに繋がる)
 立合では、我先と先を取って打ち間に入り打突する状況が多く見られる。限られた時間内で有効打突を取りたいという気持ちは分かりますが、それが気の焦りとなり無駄打ちに繋がる。そこを相手が打突して来るまで我慢する。待たなければ合気にならない。我慢が溜になり無駄打ちを無くす。次に捨てる勇気です。怖いところだ。打てば有効打突になるが打たれれば負け。だが、縁を切らず中心を取り溜める。集中する状態が有効打突の可能性を高める。
 一足一刀の間合で待つのは怖い。とある僧侶に伺ったら、僧侶は簡単だ「1つ2つ3つ・・・・」と数える。息を吐く。これなら雑念が入らない。極意に繋がる。

4.気剣体の一致
 構えた時に刃筋が立っていますか。今一度確認。打突の時に刃筋が通らないのは有効打突としない。気剣体の一致、刃筋を立て点で打突する。関連して左足の引き付けが重要。気剣体の一致。永遠の課題。

5.成功の秘訣
 「気の充実が澄む」気魄が充実すると相手の竹刀の軌道が遅く感じる。(脳の錯覚)「誰にも出来る簡単な事を誰にも出来ないくらい続ける」これが成功の秘訣。
 気の充実が気構え、心構えに繋がり澄む姿に変わる。

6.女性の方、上段の方、二刀をつかう方へ
 「女性の方」は、気魄を充実させる事。男性と対峙した時は、やわらかく先を取る。打たせて勝つ「心はニコニコ顔の命がけ」
 「上段の方」は、出頭を狙う。打ち気を出させ機会を捉える。覚悟が必要。退くのでは妙技にならない。
 「二刀をつかう方」は、小太刀を有効に使う。小太刀で相手の竹刀を制したら直ちに太刀で仕留める。ご精進。

7.結びに
 審査は、正しく剣道を学んでいるか確認する役割もある。目上の先生から見て頂く事は大切。結果、登り坂、嵐、艱難辛苦を経験しますが剣道を知る、人格を高める為だと受け止ればチャンスに変わる。

 「昨日を追う勿れ 明日を待つ勿れ 今のこの時を逃す勿れ」 (白隠禅師)

佐藤 勝信

審査員の寸評(剣道形)

 名古屋で行われた七段・六段審査会で剣道形を担当し、感じたことを述べます。

 皆様の受審態度は真剣で立派でした。内容については打突時の気合と発声は充実したものがみられましたが、他の内容は一部を除いて殆どが順序を間違いなく動作をただなぞっているだけのように見受けられました。このことは今までの講評で言われてきたことで未だに解決することが出来ないでいます。

 この度、指導者の仲間入りした皆様が、このことを自覚し形を正しく修錬を積み重ね指導者としての資質を高め後輩の指導に当って頂きたいと思います。それには全日本剣道連盟で出している『講習会資料』『日本剣道形解説書』(この中の指導上の留意点と審査上の着眼点は「修錬上の留意点」と読み替える)を熟読し、各本の理合を学ぶと共に、しかるべき指導者の指導を受け、修錬を積み重ね自得することが大切です。

 各種剣道大会で公開演武として刃引による剣道形が披露されていますが、これは剣道形が竹刀剣道の原点であることを示しているのです。ただ竹刀稽古だけではスポーツ剣道です。これに形稽古を兼修することにより武道としての剣道になるものです。

 この武道としての剣道を正しく伝承していくのが剣道人の役目であると思います。

 益々のご精進を祈念し講評と致します。

太田 忠徳
*この記事は、月刊「剣窓」2023年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(愛知)
開催日
2022年11月12日(土)
会場名
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅 徒歩10分、又は東枇杷島駅下車 徒歩5分(2)市バス (名古屋駅)5番のりば発 名駅11系統(名古屋駅ー名古屋駅)「枇杷島スポーツセンター」下車
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