審査会
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剣道七段審査会(香川)
- 開催日:
- 2013年08月24日(土)
- 会場名:
- 高松市総合体育館 第1競技場
審査員の寸評(実技)
香川県高松市総合体育館で行われました審査会においての所感を述べさせていただきます。 今までの諸先生方の寸評で言いつくされていると思いますが、「剣道とは、相手が自分を打ってこようとする瞬間に対する自己創造である」と言われております。審査は定められた時間内に如何に自己表現をしてまとめあげるかが大切です。理想的な受審のあり方は、わかりすぎる程理解されているのですが、現実は厳しく思い通りにはならなくて時間内に自分の実力が発揮できないことが多いものと思われます。 実力互格の中で完全な有効打突は求め難いものですが、結果的に有効打突にならなくても、
一、 理合に基づいた技か
一、「打つ」と「当てる」の違いの理解
一、打ち切っているか
打突に関しては、主としてこの三点を踏まえた打突は審査員の心を打つことにもつながって総合的に評価されることでしょう。
打ち過ぎると無駄打ちが多く重厚さに欠けますので、平素の稽古においても地稽古のみでなく、切り返しや打ち込み稽古等、研究工夫をされて、次回には合格の栄誉を得られますように今後のご精進を祈っております。
審査員の寸評(剣道形)
〝形を演ずるに当たりては、充分に真剣対敵の気合を込め、寸分の油断なく、一呼吸と雖(いえど)も苟(いやしく)もせず、剣道の法則に従い確実に演錬すべし…〟 (高野佐三郎著『剣道』より)
香川県における形審査では全員が合格しましたが、果たして冒頭の高野先生の教えどおりの充実した気迫で演武された方は幾人いたでしょうか。
剣道形修錬の目的は、修錬を通じて剣道の原点である剣の理法を学び、剣道の正しい普及発展に役立てること。つまり、形によって生まれてくる原形(原理・原則)をしっかり学び、これを現代剣道に生かすことによって、剣道の正しい普及発展につなげるということが形修錬の目的であります。現象面だけを見ると形と竹刀剣道は、その内容において若干違うように見えますが、形は剣道の基本中の基本(原理・原則・原点)であり、形をしっかり修錬した人としない人では剣道の内容において格段の差があります。それは理法を正しく理解し身につけているからであると思います。形は審査のために必要ということではなく、自己の剣技向上のために必要であり、大事であるから修錬するわけです。
今回は全員が合格されていますので申し上げることはありませんが、立会前後の作法、立会の所作、刀(木刀)の取り扱いについて、現在の剣道は技術的なことばかり学んで、教育的な作法や所作ごと、あるいは刀(木刀)の取り扱い方がおろそかにされていると思います。また、毎回指摘されている太刀の形四本目の切り結びの高さや同七本目の仕太刀の目付については今回も修正されていなかったようです。特に作法・所作ごと、刀(木刀)の取り扱いについては形を通じて正しく身につけることで剣道に品格や風格・威厳などが備わり質の高い剣道に繋がっていくと思います。
最後になりますが、小太刀二本目の仕太刀は「右手を頭上に上げ、刃先を後ろにし、右鎬で受け流す」です。刃部で受け返しながら行っている方が何人かいましたが、手首の使い方がポイントになるかと思います。よくよく吟味し、正しい形を正しく身につけ、立派な指導者になりますよう念願しています。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(香川)
- 開催日
- 2013年08月24日(土)
- 会場名
-
高松市総合体育館 第1競技場
〒760-0066 香川県高松市福岡町4-36-1
JR高松駅より車で15分琴電沖松島駅下車、徒歩2分