審査会
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剣道七段審査会(愛知)
- 開催日:
- 2014年05月10日(土)
- 会場名:
- 名古屋市枇杷島スポーツセンター
審査員の寸評(実技)
5月10・11日名古屋の七段・六段審査会は五月晴れの清々しい天気の下実施されました。2日間とも第3会場を担当し感じたことを2点述べたいと思います。(一)全般的に姿勢・構えは大変立派な方が多かったのですが、打突時の姿勢が崩れる方
が目立ちました。有効打突の条件である適正な姿勢とは打突前、打突時、打突後も正 しくなければなりません。日ごろの稽古から目線の高さを一定に腰からの移動で打突 することを意識して下さい。審査用の付焼刃の姿勢では当然のごとく打突時に崩れる こととなります。剣道の土台である姿勢・構えを本物(自分のもの)にするには日々 の稽古で上虚下実の自然体を作るしかありません。稽古前に姿勢・構えを確認する一 人稽古も有効だと思います。
(二)立ち上がって直ぐに独りよがりの技を出す無駄打ちが多く見られました。試合では
その技が有効打突となることもありますが、審査での評価は低いものとなります。部 位に早く当てるだけでは剣道とは言えません。ただの当てっこです。触刃、交刃の間 合から剣先の攻防、気の攻防、所謂緊迫した対話があり、相手に攻め勝ち、一足一刀 の間合から気剣体一致で捨身の技が発せられるところに剣道の妙味があり、それが出 来てはじめて高段者といえます。柳生新陰流に機を見、機を作り、機を打つという教 えがあります。機を作るとは攻め合いの所ですが、ここが重要で技を出す前の仕事 (攻め・崩し)をしっかりすることが肝要です。「打って勝つな、勝って打て」。不合 格となった方々は今回の結果を真摯に受けとめ「理合のある打突」を課題にした稽古 を実践し、技術的にも先の技だけでなく後の先の技も遣い「気で攻めて理で打つ」剣 道を志向されたらどうでしょうか。 七段・六段には「剣道称号・段級位審査規則・ 細則」に明記されているように初段から五段までの着眼点に加え、①理合②風格・品 位の2点が求められます。理合については前述を参考にして、風格・品位は理合のあ る正しい剣道の反復鍛錬と基本的な所作事等を日常生活で意識すれば自然と身につく と思います。今回残念ながら不合格となった方々には、もう一度審査規則・細則を熟 読し、高段者として身につけるべきことを再認識されることを望みます。
最後に、受審者は年齢的にも社会人として活躍されている方々で稽古時間に制約があると察しますが、短時間の稽古でも質を求める目的意識を持った修業を心がけて下さい。不合格の方々の次回審査に向けた尚一層のご精武を祈念します。
審査員の寸評(剣道形)
愛知の剣道七段・六段の剣道形の審査を担当させていただきました。他の審査員のご意見もお聞きして所見を述べさせていただきます。
形再受審者は七段無し、六段1名でありました。受審者の日頃の努力の成果の現れか大きな不備もなく形不合格者が少なくなったように感じました。
今回、81歳で七段に合格された方ですが、姿勢・動作・手の内等が立派で、足さばきが大きければ完璧に近い素晴らしい形を打たれておられました。一方で、合格者の中にはまだ形の理合を十分理解しないで、内容より順番を間違えなく終了するのが精一杯の方も見受けられました。
この他、初めての相手と、気・呼吸も合わなく慌てて、小さい動作で足さばきも小さく、木刀の物打が指定の部位に届かない形も多く見られました。
合格者は今後高段者として剣道形を指導しなければなりません。『日本剣道形解説書』を熟読し、また講習会に積極的に参加し正しい剣道形を身につけてください。
実技不合格の方も次回実技合格のため、剣道形を真剣に修錬して剣道で必要な礼法・姿勢・呼吸・理合・気迫・技・その他の所作を自己の剣道技能向上のために修業してください。形で得た間合・足さばき・手の内・気剣体一致の技を身につけ実技審査に臨めば合格間違いなしです。頑張ってください。
細部については、昨年秋の東京審査の形寸評が『剣窓』平成26年1月号に掲載されていますので、参考にしていただき寸評とします。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(愛知)
- 開催日
- 2014年05月10日(土)
- 会場名
-
名古屋市枇杷島スポーツセンター
〒451-0053 愛知県名古屋市西区枇杷島1-1-2
(1)名鉄 名古屋本線 栄生駅又は東枇杷島駅下車 徒歩7分(2)市バス (名古屋駅) レモンホーム10番のりば発 4系統循環 レモンホーム11番のりば発 117系統循環 枇杷島スポーツセンター下車