公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(東京)

開催日:
2014年11月26日(水)
会場名:
日本武道館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,414 193 13.6% 3

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審査員の寸評(実技)

日本武道館での六・七段審査において感じたことを述べさせていただきます。

 審査は短時間に、日ごろの修錬内容を評価してもらう場でありますから、あれこれ惑わずに、己の一番良い技を出すことの一点に心をまとめ、必死に立合うべきと考えます。

 今回失敗した方は自分に何が足りないのかを考え、稽古内容を見つめ直す絶好の機会であると前向きに捉え精進していただきたいと思います。

 不合格者の多くは気持ちの焦りからか、構えも軽く自分勝手に技を出すため、機会をとらえられず失敗し、さらに無駄打ちをしてしまいます。当てたいがために刺しも多く見られます。刺しは打ちではありません。日頃の稽古で、機会をとらえ手の内のきいた冴えのある打ちを心がけてほしいものです。打ちっぱなしも気になりました。打突後の体さばきが身についた(体幹がぶれない)方の打ちは技の切れが良く見栄えがします。打突時の発声ともかかわりがありますので併せて考えてみて下さい。

 高齢の受審者になると手だけでさばき、打ちも手打ちの方が多くなります。手だけで当てて良しとするような稽古ではなく、打たれることをいとわず、静の中で気攻めをし、足腰を使った気剣体の一致する打突を心がける稽古をされたらいかがでしょうか。

 女性陣はどちらかというと、ただ待って技を出す傾向が多いなか、合格された方は男性に攻め負けせず、機会をとらえた打ち切る技を出しております。このような立合いを参考にし今後の糧にしていただければと思います。

 次回に向けて、皆様方の一層の精進をご祈念申し上げます。

小笠原 宏志

審査員の寸評(剣道形)

 東京での形審査を担当しました。他の審査員のご所見も伺い寸評を述べさせていただきます。

 実技審査を乗り越えて、その興奮覚めやらぬうちに、遇って間もない相手と十本の形を全く無傷でやり通すのは至難の技であります。しかし、受審段位が七・六段ともなれば高段者であり指導者ですから、避けて通れません。是非とも全うし、常に他に指導し得る経験と実績を積んでいただきたいところです。しかし、受審現場では順番を取り違えぬよう、また内容もかたちだけのものでおさめてしまうことで精一杯の方が多かったと感じました。
 剣道界は、今に始まったわけではないですが、競技化が進展し、とかく内容の乏しい「勝負中心」が大手を振ってひとり歩きし、形稽古で得られる剣道の真髄に触れる機会もいよいよ少なくなり、総じて形稽古が疎かにされて久しくなっております。

 気魄・品位共に揃った組は殆どなく、七本目までで目についた不備は、大方の組が「トウ」で決めたものの、残心どころか剣先が届いていなかったり、互いに三歩前進する時の出の拍子がバラバラであったり、木刀の反りや刃筋が生かされていませんでした。

 小太刀による三本は、間合はもちろん、鎬の使い方も不十分でありました。実戦にも使われることが少ないこともあってか、小太刀の使い方は野放し状態と称されるほど不勉強のままといわざるを得ません。

 今回3名の審査員に共通した指摘が二つありました。
①「形については、今までよき師に恵まれていないのではないか」
②「これからは、受審者ご自身も一層精進され、よき指導者となられんことを祈る」でありました。

 「百錬自得」といわれるように、七段・六段になってなお、ただ待つことのみではなく、自らが探し求めて形稽古で得られる要素と、高段者に必要・欠かせない理合の探求に精を出していただきたいと思います。そして、すばらしい指導者として、その実力を発揮していただきますよう、ご期待申し上げます。

戸田 忠男
*この記事は、月刊「剣窓」2015年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(東京)
開催日
2014年11月26日(水)
会場名
日本武道館
〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口 徒歩5分*九段下駅混雑時は、1番出口をご利用下さい。
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