審査会
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剣道七段審査会(東京)
- 開催日:
- 2013年11月26日(火)
- 会場名:
- 日本武道館
審査員の寸評(実技)
東京都審査会の実技審査を担当しましたので、所感を述べさせていただきます。審査は日頃の修錬の成果を限られた時間内に自己表現し審判を仰ぐ場でもあります。従って平素の修錬の過程の中で、竹刀は刀であり、立合いは真剣勝負である、という気持ちで、短時に集中し気迫、間合、攻防の理合、打突の好機等を常に心掛け、日々修錬し体得しておかなければなりません。
普段の稽古と審査時の立合いが違うようでしたら本来の実力は出し切れないのではないでしょうか。これまで修錬されてきた結果の評価を受ける訳でありますから、仮に審査用に作られた姿であれば、良い結果は得られないかと思います。形に囚われることなく、日頃研究、工夫、努力し身に付けられた自分の剣道をすることにより、気迫のこもった冴えのある立合いが出来るかと思います。
審査は、気剣体一致の打突が出来ているか否かが重視されます。剣道の修錬は基本の繰り返しであり、練習するということは、その実は、信念を付けるということなのです。「信は力なり」とも言われます。
次回は一人でも多く良い結果となるよう願っています。今後のご精進を祈念申し上げます。
審査員の寸評(剣道形)
剣道七段・六段の日本剣道形の審査を担当させていただきました。
他の審査員のご意見もお聞きして所見を述べさせていただきます。
形審査もやり直しが出来なくなり、やや良くなったかに感じられました。しかし、初めての相手に気・呼吸を合わせないまま行うことで、内容より順番を間違えなく終了するのが精一杯で、形の理合を十分理解していない方が、合格者の大半に見受けられました。
日本剣道形は、剣道で必要な礼法・姿勢・呼吸・理合・気迫・技・その他の所作を修錬し身に付け、自己の剣道技能向上のために修業するものであります。
合格された皆さんは、高段者として剣道形の指導者です。『日本剣道形解説書』を再度熟読し、打太刀・仕太刀それぞれ太刀七本、小太刀三本通して一人稽古を繰りし、次に相手と気・呼吸・間合等、形稽古で身に付けていただきたいと思います。
今後特に注意されるところは、
1 構え(正しい構えができていません)
(1) 太刀・小太刀の握り 木刀を正しく握り、手首が柔軟に使え、冴えある打ちが出来る握り方。
(2) 太刀 諸手左上段・諸手右上段・中段・下段・八相・脇構え。
(3) 小太刀 半身の構え。仕太刀の左手は、小太刀を構えた時、木刀の場合は、親指を後に四指を前にして腰にとる。
2 体の移動
(1) 足さばき歩数は定めてあるが、歩幅は定めていない。足のさばきが小さくなると、大技が出来ない。技終了後、中央の×印に歩数と共に歩幅にも注意して戻る。
(2) 体さばき
ア、太刀四本目仕太刀は、突きに対し巻き返しながら左足を左前に出して面を打つ。
イ、小太刀一・二本目の仕太刀の面打ちに対して右・左に体をさばきながら鎬で受け流す。受けてからさばくため刃部で受けてしまう。
ウ、小太刀三本目仕太刀は、胴打ちに対して左足を左斜め前に出し鎬ですり流し右足 を寄せながらすり込む。
3 技
(1) 太刀六本目、小手打ち以外は大技で行う。
(2) 一本目と五本目の打太刀の面打ちの違いを理解する。
(3) 太刀三本目、打太刀は水月、仕太刀は胸部の突く位置を確認する。
(4) 太刀四本目、八相・脇構えから上段にならず斜めからの面打ちが多く、相面でなく合わせるだけであった。
(5) 太刀五本目、面すり上げ、六本目小手すり上げ技が払い技になっていた。
(6) 太刀七本目、相突きになっていない(手元を上げているのみ)。仕太刀は打太刀から眼を離さない。
(7) 小太刀二本目、仕太刀は面を打ってから腕を制する(面を打つ前に左手が腰から離れる)。
(8) 小太刀三本目、打太刀の面打ち・胴打ちに力みがあるため仕太刀のすり上げすり落とし、すり流しすり込みが十分出来きていなかった。
以上主だったところを列挙してみました、各自研鑽して下さい。さらに今一度良き指導者の指導を受けて下さい。また、剣道形講習会に謙虚な気持ちで積極的に参加し、高段者に相応しい風格・品位のある剣道形を目指して精進していただき、後輩に対しては正しい剣道形の指導を願って寸評とします。
行事概要
- 行事名
- 剣道七段審査会(東京)
- 開催日
- 2013年11月26日(火)
- 会場名
-
日本武道館
〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口 徒歩5分*九段下駅混雑時は、1番出口をご利用下さい。