公益財団法人 全日本剣道連盟 All Japan Kendo Federation

審査会

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剣道七段審査会(東京)

開催日:
2015年11月25日(水)
会場名:
日本武道館
受審者数 合格者数 合格率 形再受審
1,329 247 18.6% 3

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審査員の寸評(実技)

 今回の七・六段の実技審査を見た感想を述べさせていただきます。

皆さん、もう一度有効打突について考えてみてください。充実した気勢、適正な姿勢で竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し残心あるものとあります。正しくそれをお互いに表現し、競い合い、周りの人(審査の場合は審査員)に訴え認めてもらうものではないでしょうか。

 ところが、いざ立合いが始まれば、試験であるが故に硬くなり、体や腕に力が入り、相手を切るべき竹刀の物打ちに力が入らず、拳の部分で相手を切っているように感じました。相手を打突したとしても逆に評価の下がる打ちが多かった気がします。また、ほとんどの人が開始の合図と同時に発声し、しばらくして面を打つか胴を抜くパターンがかなり見受けられました。

 考えてみてください。発声も打突も出すべき機会があるはずです。こうしなければならない、こうしたら駄目だという決まりはありません。そこにそれぞれの個性があって良いのではないでしょうか。その他、初太刀が鋭さや強さ、スピードを欠き、尚且つ無駄な余勢が多く見られました。

 今回、残念ながら不合格になった人、或いは上の段を目指す人に対しての私のアドバイスは、日頃の稽古で基本の面打ちを重要視し実践することをお勧めします。注意点としては、一足一刀の間合に拘らず、近間でも構いませんので、必ず継ぎ足をせず打突してください。また、打突した時の体幹の備えを充分にし、打ち切ることや、打突後のすり足を素早く長めにやり、足の強化に努めてください。互格稽古中心の稽古ではなく、切り返し、打ち込み、掛り稽古を中心とした稽古に変えたらいかがでしょうか。

 終わりに、今後は、審査員や観衆の心に響く剣道、それは物真似ではなく特徴のある自分の剣道を作り上げることではないでしょうか。今後の皆さまのご活躍をお祈り申し上げ、講評と致します。

亀井  徹

審査員の寸評(剣道形)

 実技審査発表の直後に即席に組合わされた相手と事前の打合わせはもとより一度も合わせることもない「ぶっつけ本番」の演武ですから、受審者としては「順序を間違えずに終了させたい」との心理が働くのは当然でしょう。一応、順序通りに無難に演じられていましたが、形で要求される時間的・空間的な間、気位、呼吸を合わせること等を厳密に要求することは不可能です。このような状況下では「これまでの剣道修行の過程でどれだけ剣道形に取り組んできたか」が如実に表れるものです。
 残念ながら不合格者が出てしまいました。部分的な誤りがあったわけではありません。「これまでの形に対する取り組みに問題があったのではないかと思われます。

 今回の受審者の多くが示した再吟味して欲しい幾つかの事柄をここに列挙します。 ① 立礼(上座への礼・立会相互の礼)。② 木刀の持ち方と五つの構え。③ 太刀二本目 打太刀の右小手打ちの位置は。④ 三本目 打太刀の突く位置(方向)と刃先の方向は。⑤ 四本目 仕太刀 脇構えの剣先の位置および刃先の方向、相打ちで切り結んだ高さは。⑥ 五本目 打太刀の正面打ちの切り下げる位置は。⑦ 六本目 仕太刀・打太刀の上段に振りかぶりに対する中段からの攻めの剣先の方向は。⑧ 七本目 気当たりの際の双方の刃先の方向および剣先の高さは。⑨ 小太刀 中段半身の構えは。⑩ 二本目 打太刀の刀を制し入身になろうとするところは。⑪三本目 胴に打って来る刀を「すり流す」とは。⑫ 小太刀の構えの左手の在り方は。

  些細なことですが『日本剣道形解説書』『剣道講習会資料』を再度熟読して再吟味を願います。形の修行は「しかるべき指導者」の指導を受けることが肝心です。七・六段ともなれば合格者の皆さんは「しかるべき指導者」なのです。後進の為にもあやふやなことでは済まされません。謙虚な気持ちで更なる形の修行に取り組まれますことを期待します。

佐藤 成明
*この記事は、月刊「剣窓」2016年1月号の記事を再掲載しています。

行事概要

行事名
剣道七段審査会(東京)
開催日
2015年11月25日(水)
会場名
日本武道館
〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅2番出口 徒歩5分*九段下駅混雑時は、1番出口をご利用下さい。
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