剣道界・全剣連のニュース
@新規参入者漸減続く・中高年者の活動高まる
低迷の中一進一退を続けてきた初段取得者数ですが、2年前に年間5万人台を回復し底を打ったかに見えましたが、その後低迷し、昨年も4万5千人台になりそうです。
一方、全剣連の行う六段以上の段位審査への挑戦意欲は高く、16年度年間受審総数は1万5千人を突破、過去最高を記録しました。心強さと弱さ同居の状態です。
A267団体に少年剣道教育奨励賞を贈呈
少子化の影響を受け、剣道への参入者の減少傾向にある中、少年剣道の育成に長年活動して来られた団体の労に報いるための表彰制度を新設、各剣連などの推薦に基づいて初年度267団体(一部個人を含む)を表彰することとし、12月11日に九段会館において各地から参集された代表者に対し、奨励賞を贈呈しました。
B地区講習方式の改変を決定、各剣連の計画を援助する方向で来年度より実行
長い歴史を持つ地区講習会ですが、近年形式的に流れる傾向にあることに鑑みこれを廃止、各剣連ごとの講習計画に対し、全剣連が援助する方向に改めることとし、17年度より実行します。
C全日本剣道演武大会が明治28年以来第100回を迎える
大日本武徳会により行われてきた演武大会を継承した標記大会が、戦中、戦後の中断を経て第100回を迎え、記念大会として実施しました。西日本資料小委員会が纏めた『明治期にみる武徳祭大演武大会』を参加者に配付しました。
D剣道審判講師要員に認定証を交付
審判講師要員講習を経て、実績を挙げられた方34名に対し、講師認定証を差し上げました。今後毎年追加されます。
E称号・段位審査の実行面での前進
称号審査は軌道に乗りつつあることが認められますが、成績は必ずしも向上せず、不合格者が増加の傾向にあることは残念です。
八段審査の実施方法を改め、学科試験と剣道形の研修を廃止、実技審査を当日のうち合格決定することにし、5月から実施しました。
前年より実行した七、八段審査料に続き、称号審査料を値下げし、受審者の負担軽減を図りました。
F各剣連に委任している五段以下の審査の実態把握に着手
現行審査規則の制定の際、積み残しになっていた、各剣連に委任されている五段以下の審査の実態把握に着手し、称号・段位委員会の委員が分担し、剣連の審査の実行状況を出向いて視察しました。第一段階の結果を取りまとめ検討資料とするほか、参考として各剣連にも通知します。
G両大会での予想を覆す優勝者
5月の都道府県剣道優勝大会では、岡山県が健闘、47年ぶりの優勝の栄冠を勝ち得ました。11月の全日本剣道選手権大会では、下馬評で影の薄かった千葉県の鈴木 剛選手が優勝し天皇盃を獲得、いずれも予想を覆す健闘でした。
この他の主要大会、秩父市での国体、宮崎市での居合道大会は、いずれも地元県が危なげなく優勝、番狂わせは見られませんでした。
Hホームページ内容を一新 利用増加に拍車を期待
全剣連ホームページの利用者は増加を続け、昨年のアクセスは480万件と、前年を2割越えました。総務・情報小委員会の若手のご尽力で内容を一新、1月からお目見えしました。情報伝達の飛躍が期待されます。
I愛知万博での剣道デモンストレーション決まる
3月に開幕の愛知万博において剣道のデモンストレーションを8月31日に実施することが固まりました。実施計画では少年剣士の行事を柱にし、国際色も出す方向で、剣道の一般理解を進めるため一役買って貰います。
1月4日から3日間、勝浦の日本武道館研修センターで開かれる恒例の学校関係剣道指導者研修会は、28回を数えます。研修会は日本武道館が、文部科学省などの後援を得て行なっており、全剣連、高体連、中体連も主催者に名を連ねています。ここに、昨年に続いて顔を出しました。高校教員81名、中学校教員59名が全国から参加して真剣に受講し、講師側の熱意と相俟って、張り詰めた空気の研修が進んでおり、参加者が各地に戻ってからの効果が期待されます。
利用者が急増しているホームページの内容の刷新に、総務・情報小委員会が取り組みました。剣道に関する情報発信基地となることを目指した内容で、本年1月1日から運用が始まりました。分りやすい画面、配色への工夫、簡便な操作性など利用者の利便を考慮した改善が加えられています。「百聞は一見に如かず」、ご覧戴くことをお勧めします。
吉田市太郎京都府剣連会長逝去される
かねて入退院を繰り返しておられた、吉田さんが12月31日に亡くなられました。吉田さんは理事長、会長代理を長く務められ、日常の運営のほか大きな行事の実行に手腕を発揮されました。思い出されるのは、京都での世界剣道選手権大会です。京都市、京都府から多額の助成金を獲得されるなど、開催地側として運営に努力され、大会の成功に大きな役割を果たされました。また武徳殿の建立100年行事に努力され、大きな石碑を立てることを主張され、題字を揮毫することになったのも思い出です。獣医としての要職の傍ら、剣道の振興に努力され、歯に衣を着せぬ言動から、剣道界の名物とも言われる重鎮でした。心からご冥福をお祈りします。