3月31日、4月1日の両日にわたって東西平行して行われる剣道中央講習会は、各剣連から派遣された剣連指導陣の中核となるメンバーへの講習会で、最も重要なものです。
歴史をたどって見ましょう。
昭和27年発足の全剣連は、剣道復活の仕事が一段落した30年代末期に、全国を対象にしての講習事業に手が回るようになりました。試合審判の規則が作られ、改定も行われる中、講習の必要性が高まり昭和41年9月に全国からの剣士を対象に、日本武道館で3日間の審判講習会を行いましたが、これが中央講習会の前身です。43年から剣道形の科目が加わり毎年続けられてきました。
昭和62年に名称を剣道中央講習会として役割を明確にしました。平成4年には参加人員を増やし、東西で行い現在に至っています。
今年は東日本は勝浦の日本武道館研修センターに68名、西日本は神戸市中央体育館に52名の高段の講習生を集めて第42回として実施しました。科目の中に救急法の実地訓練を行うのが例となり効果をあげています。
講習会の役割は時代とともに変化しています。普及のための知見、技術や人材が行き渡ってない当初の時期には、全剣連が中心になり各地の剣連に伝達し、これに基づいて全国のレベルアップを図ることが必要でした。そこで「伝達講習会」といわれてきました。しかし近年資料も整備され、情報も広がり、各地の人材も育ってきました。 全剣連は一昨年度より一般への講習・指導の重心を地方に移動させ、それぞれの剣連が講習を計画・実施し、全剣連はこれを援助する方向に施策を切り換えています。この状況下、中央講習会は再び転機に直面しています。中央よりの伝達すべき新しい事項は減少しつつある今日、この講習会は、各剣連の指導陣の指導力開発・向上のための研修会の役割を主にしていくべきです。中央よりの伝達講習会という慣用語は死語にすることが望まれます。 |