全日本剣道連盟
International Information HOME

大会・審査会 行事予定 剣道について 画像・動画 寄稿「まど」 ダウンロード 通信販売
HOME > 今月の「まど」 > 過去の「まど」一覧 > 過去の「まど」第246回
寄稿「まど」

今月の「まど」
過去の「まど」一覧
過去の「まど」
過去の「まど」

平成20年01月号 第246回

全剣連会長  武安義光

  夏の猛暑の故か、今年の紅葉は例年より遅れているといわれます。
  九段坂のいちょうも見事に紅葉し、歩道を覆う落葉とともに、晩秋の彩りを見せています。


  つい先日の11月末には日本武道館で2日間にわたって剣道八段の審査が行われ、激しい立合いが続いたとは思えない落ち着いた付近の風情です。


  以前は12月を迎えると全剣連は農閑期に入るなどといわれましたが、この頃は12月1日に功労者表彰式、文化講演会があり、社会体育指導員養成講習会(中級・初級更新)、講師要員(試合・審判)研修会、選抜特別訓練講習会、居合道六、七段審査会と盛り沢山の行事に追われる歳末です。


皆さんも良き新年をお迎えください。

8千名が挑戦した大型審査を終えて

  秋の審査は、剣道六、七、八段が主力になりますが、各道の錬士、教士の称号審査のほか、12月に入っての居合道六、七段審査を加えますと、東京と名古屋を舞台に、4会場で8日間展開され、受審者として8千名に近い剣士が挑戦、延べ260名の審査員が実技審査に当たる他、審査の運営などに延べ450名が当たるという、大型審査の名にふさわしい事業になります。幸い大きなトラブルが無く終えることができ、主催者はホッとしているのが本音です。


  厳しい審査を経て、剣道八段18名、剣道七段254名、剣道六段347名、また称号では471名の錬士、255名の教士が誕生しました(いずれも再受審者を含む)。


  それらの方にまずお慶びを申し上げ、今後のご発展と引き続きご精進頂くことを念じます。長時間の仕事をして頂いた審査員のご尽力に謝意を表し、運営に当たられた方のご労苦を多とします。また不成功に終わった方は、納得されたかどうか、結果を踏まえての捲土重来へのご努力をお願いします。


  懸念された剣道八段の2日制はまずまず順調でしたが、東京武道館での剣道七段の審査は、1,800名の受審者に対し、会場の広さなどで無理が感じられました。対応を考えることが必要です。

平成19年を振り返る ― 全剣連・剣道界のニュース ―

@「剣道指導の心構え」成案を得て決定される


  平成15年より長期構想企画会議で取り組んできた、標記指針が纏まり、3月の会議を経て決定を見ました。『剣道の理念』の各論というべきもので、今後指導にあたっての柱になりましょう。


A社会体育指導員養成事業十周年記念事業を行う


  平成7年10月に第1回初級講習会を開催し、その後各地で事業を進め、上級指導員にいたるシステムの完結を見たので、3月3日記念式典を開催しました。全剣連が実質的に独自に築き上げ、5千名を越える資格者を生んだ事業の今後の進展への決意を固めました。


B剣道試合時間の調整進む


  剣道の試合時間、原則5分が頑固に守られてきて、一方の3本勝負の原則が軽視されてきた風潮を改めようと、一昨年の全日本東西対抗剣道大会に10分制を取り入れ、その後全日本選抜剣道八段優勝大会。19年から全日本女子剣道選手権大会、全日本剣道選手権大会の、準決勝戦以後の試合時間を10分に改め実施し好結果を得ました。また慣例であった女子の大会の試合時間を5分にしました。経過を見つつなお調整を進めます。


C東京・京都での剣道八段審査を二日に別けて実施


  難関を以て知られる剣道八段審査、受審者が増加の傾向が止まらず、1日での実施が困難になり、東西とも2日かけて行うことにしました。審査場の数が減り、審査の運営と質の向上に繋がる好結果を得たと見ています。


D若手剣士養成「選抜特別訓練講習会」第二期に入る


  通称「骨太剣士」養成と称している標記講習会、第一期の2年の講習を終え、新たに60名の若手剣士を選抜、8月に第1回講習会を開催しスタートしました。試合のための強化を目的にしませんが、秋の全日本剣道選手権大会には、第一期訓練生から7名、第二期訓練生から2名が出場しました。


E全日本女子剣道選手権大会で村山(埼玉県)3連覇を飾る


  9月の第46回大会で村山千夏選手が、36年ぶりの3連覇の偉業を達成しました。33歳での優勝も久方振りの記録です。


Fホームページコンテスト149件の応募の中から受賞者決まる


  初めてのコンテストを実施したところ多数の応募があり、審査の結果、高知県潮江町剣道スポーツ少年団の作品が最優勝賞に選ばれ、その他優秀賞などの表彰が行われました。


G全剣連アンチ・ドーピング規程制定される


  GAISF(国際競技団体連合)加盟に際しての約束に基づき、国際剣連としてのアンチ・ドーピング機構(WADA)の規程を批准し、これに基づき全剣連はアンチ・ドーピングに関する規程を、6月に制定しました。世界の流れは、剣道界にも及んできました。


H剣道への参入人口減少の動向顕在化


  ここ数年初段の取得人員は横ばいを保ってきましたが、18年は前年を3千名下回りましたが、この傾向は続きそうで、剣道界の活力低下とともに、財政面に響いてきます。全剣連の20年度事業計画、予算編成に影響を及ぼしそうです。地方剣連、団体への影響も必至です。


I高齢者の昇段・昇格が実現


  高段審査への高齢者の挑戦は活発です。5月の剣道八段審査において80歳の緒方仁司氏(熊本県)が見事に難関を突破されました。ほとんど前例を見ない快挙です。また剣道範士にア慶男氏(茨城県、81歳)が合格されました。いずれも生涯剣道の範と言えます。

昨年の物故者

  剣道の発展にご功績のあった以下の方が亡くなられました。剣道界の歴史に名を残される方々でご冥福を祈ります。


 末廣  要氏 剣道範士 前兵庫県剣連会長  12月21日  87歳
 岡 憲次郎氏 剣道範士(東京都) 全剣連審議員
元常任理事 元国際武道大学学長
(03月号「まど」、追悼文)
 01月22日  80歳
 石丸 俊彦氏 全剣連相談役 元副会長 功労賞
(05月号「まど」、追悼文)
 04月01日  82歳
 小中沢辰男氏 剣道範士 元神奈川県剣連会長 功労賞  03月17日  91歳
 榊原  正氏 剣道範士 愛知県剣連相談役
第01回全日本剣道選手権大会優勝者
 04月09日  86歳
 米野光太郎氏 杖道範士(東京都)
(07月号追悼文)
 05月11日  83歳
 近藤 利雄氏 剣道範士 愛知県剣連相談役 功労賞
(07月号追悼文、08月号遺稿)
 05月14日  96歳
 西川 源内氏 剣道範士 元全剣連審議員
奈良県剣連名誉会長
(07月号追悼文)
 05月23日  90歳
 川原大三郎氏 剣道範士(東京都) 功労賞   11月02日  93歳

昨年の「まど」の各月の主内容

新年巻頭言  ・現場への浸透に猛進しよう
 01月号  ・台北での世界大会 ・国際剣連諸会議 ・18年を振り返る
 02月号  ・元日の新聞論調 ・新年度事業への取り組み
 03月号  ・改正教育基本法の概要と期待 ・岡 憲次郎氏追悼
 04月号  ・19年度事業の構想 ・「剣道指導の心構え」 ・マカオの剣道
 05月号  ・新年度事業スタート ・石丸氏逝去を悼む
 06月号  ・東西対抗大会 ・京都での審査会 ・演武大会など
 07月号  ・平成18年度の事業を顧みる ・次期に申し送られる事項
 08月号  ・新役員の分担 ・業務の進め方
 09月号  ・夏の諸行事 ・称号・段位制度の運営の向上
 10月号  ・女子村山3連覇 ・上海の剣道 ・松代文武学校剣術所
 11月号  ・水戸藩竹刀打ち剣術 ・審査実施の留意事項@
 12月号  ・剣道選手権大会 ・収入の停滞 ・審査実施の留意事項A

断   片 「剣豪による時代小説刊行される」

  パリ滞在の好村兼一氏の作品『侍の翼』が文芸春秋から刊行されました。


  同氏は剣道八段、フランス剣道界を育てて来られた方です。知る人ぞ知る才能を世に訴えた発表をお慶び申し上げ、剣道人の一読をお勧めします。


  41頁の紹介記事をご覧ください。 (PDF形式)

ページ上へ
全日本剣道連盟のご紹介 関連団体 プライバシーポリシー お問い合せ サイトマップ
Copyright All Japan Kendo Federation1998-2007