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平成20年11月号 第256回

全剣連会長  武安義光

  彼岸も過ぎ鈴虫の声も賑わう秋本番の好季節を迎えました。
  この時期の剣道界では、つぎつぎと開かれる全国規模の優勝大会が続きます。


  一方激動している政界では、辞任された福田康夫総理に代わる自民党総裁の選任が進められ、麻生太郎氏が圧倒的多数で総裁に選ばれ、国会で総理大臣に指名されました。
  新内閣では文部科学大臣に塩谷 立氏が任命され、教育・科学技術・スポーツ・文化などを担当されます。同氏は静岡県選出、当選5回の衆議院議員ですが、父君は剣道議員でかつては静岡県剣連会長も務められた方と承知しており、ご本人も剣道にご縁がある方と理解しています。


  アメリカの金融不安に端を発した世界的経済混乱の中ですが、国内では衆議院の解散騒ぎ一色です。しっかりと政治を進めて貰いたいし、教育改革も手を緩めないことを期待します。

全日本東西対抗剣道大会、岡山市で好試合を展開

  戦前の昭和15年の皇紀2,600年記念行事として、天孫降臨の地と伝えられた宮崎県で行なわれた大会を源流として、戦後各地を巡って続けられてきた標記大会は、本年で第54回を迎え、岡山市の岡山県体育館桃太郎アリーナで、9月14日全国からの高段者剣士を迎え開催され、充実した大会として終えました。


  試合は例年どおり5名の女子の部がまず行われ、本戦というべき35名ずつの男子の部が続きます。開会式には石井正弘岡山県知事もご来場、ご挨拶を頂きました。36年ぶりに当地で開かれる東西対抗大会、会場は観客で埋まりました。


  女子の試合ではまず先鋒の試合で延々と混戦が続き、先行きの時間を心配させましたが、29分の打ちあいの末、木村真理選手(大阪府)が突きを決めた時は主催者側もホッという感じでした。ある意味では印象に残る試合であったかもしれません。その後はスムーズに試合は進み、6年ぶりの東軍の勝利になりました。


  本戦は各剣連からの推薦に基づき、それぞれ選抜された剣士で戦われます、前陣の3名の六段に始まり、続いて年齢別に選ばれた15名の七段剣士が登場、以下15名の八段、副将・大将は範士で締め括られます。


  30歳を越えたばかりの六段選手のキビキビした試合は、東西対抗戦の先陣を飾るものでしたが、七段の部でも名勝負が繰り広げられました。30歳台の対戦では、延長で岩佐英範(東京)の制するところとなりましたが、濱田英徳(奈良)との勝負、40歳台の、宮崎正裕(神奈川)に対した松本政司(香川)の試合で、延長に入って松本が面を決めた試合は、本大会にのみ対戦者双方が表彰される、優秀試合賞に選ばれたのは当然と見られる見事な角逐でした。


  八段の試合では最短時間で勝負を決めた石田利也の剛剣振りを始め、見る者を堪能させる多くの試合がありました。そして最後の2組の範士の気迫溢れる試合で大会は一段と盛り上がり、有終の美を飾ることができました。選手各位の健闘に謝意を表します。


  一昨年の大会から取り入れた試合時間の10分への延長は、文字どおり選手の実力発揮と試合内容の向上に効果を挙げていると見られました。35試合のうち、一本勝負で終わったのは、12試合に止どまり、23試合が二本取っての勝負で、その半数は一本一本に持ち込んだ接戦が展開され、一本を先取されたあと逆転した勝負も多く見られました。


  主管頂いた岡山県剣連のお骨折りを謝し、来年行われるさいたま市で、充実した大会が、より簡素に行われるよう期待します。

中国・四国各県剣連会長会同を開催

  各地での大会などの機会を捉えて、全剣連と地域の剣連会長との会同を開くよう努めています。


  岡山市での大会に当たり、同市で中国・四国の各剣連会長会同を開催、全剣連側よりの説明、報告の後、各剣連側からの現況ならびに意見を拝聴しました。今回は全会長のご出席を頂き、短時間でしたが有益な会合を持つことが出来ました。武道の必修科目化が共通の話題として取り上げられました。
中国・四国各県剣連会長会同

相談役会・審議会も併せ開催

  同じ日に恒例により、剣道界の長老による2つの会議を持ちました。
  執行部からの現況報告のあと意見交換を行ないます。相談役会でのご発言、「剣道の質を高めていく方法として、『木刀による剣道基本技稽古法』を初心者に徹底するのが大切。初級者の昇段審査に取り入れることを是非検討して欲しい」とのご意見は、執行部として重く受け止めます。

大分国体剣道大会 地元が大活躍して順調に終了

  剣道会場は、大分市より豊肥本線で40キロ西に入った豊後大野市大原町の総合体育館で、10月4日~6日まで開催されました。


  この地域は占領中から少年剣道大会が連綿と続けられています。大会ではかねて錬成に力を入れてきた大分県チームが、圧倒的に力を発揮、少年男子・少年女子、成年女子で優勝し、成年男子は三位に止まりましたが、総合優勝を飾りました。


  国民体育大会は、国家的行事として日本体育協会が主催し、県が総合的に多くの競技を取り上げて実施します。開会式には必ず天皇陛下が出席され、各大会には皇族が手分けしてお出でになり、今回も剣道に三笠宮瑶子女王殿下の行啓がありました。


  剣道部門も多少違和感がある剣道競技会と呼称され、全剣連は主催者でなく、主管の立場に置かれ、賞状も体育協会の名のものを伝達することになり、通常の大会とかなり違った立場で、関与しますが、一方県民挙げて国体勝利への熱意は強く、その精神的支援による不思議な圧力を背に、剣道競技において毎回地元チームの優勝が続くことになるのでしょう。

都道府県対抗大会、家庭婦人大会の組み替え執行部案固まる

  国体と違って剣道界が作り上げた2つの大会を、全剣連がすっきりした形での県の総合力を競う大会にすべく、組み替えることにしています。その選手構成などについての執行部案が以下のようにまとまり、11月2日の評議員会・理事会の議を経て、来年度より実施されます。


  全日本都道府県対抗剣道優勝大会は男子の大会とし、これまでの女子枠を転用し、先鋒高校生・次鋒大学生とします。五将から副将はおおむね従来どおりの職域のものとし、大将は50歳以上の教士七段以上の者と改めます。


  全国家庭婦人剣道大会は、全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会(仮称)と改め、これまでどおりの5人制で、先鋒・次鋒は男子と同じく、高校生・大学生を当て、三将以上は年齢別に区分し、大将は45歳以上とします。

  都道府県の総力戦としての性格をはっきりさせ、剣道奨励に資するとともに高校生・大学生に出番を与え、励みを持たせ活性化を図ります。特に女子剣道の奨励と充実を図ることも目的にします。

平成20年度表彰者原案固まる

  10月8日に平成20年度の全剣連功績者選考委員会を開催、剣道功労賞2名、剣道有功賞64名の表彰者候補者を決定、推薦頂きました。


  11月2日の理事会で決定、3日付けで贈賞されます。

東京での剣道七・六段審査会それぞれ一日半で実施

  11月末に行われる剣道七・六段審査会は受審者の増加に対応するため、従来一日ずつで行なっていたものをそれぞれ一日半かけることにしました。
  受審者は日程にご注意ください。

断 片

①剣道文化講演会講師に伊藤元明氏と松井孝典氏
  12月6日に開催される第7回剣道文化講演会の講師に標記の方をお願いします。
  伊藤元明氏はご存じの東京都剣連会長、全剣連審議員を務められる、剣道医学の大家、「人の自然治癒力とはなにか」という演題でお話頂きます。
  松井孝典氏は地球科学の分野のご出身、東大新領域創生科学研究所教授、惑星物理学がご専門ですが、科学の側から哲学の領域に斬り込むなど幅広い活動をしておられます。
  剣道人に示唆を与えるお話を伺えると存じます。取りあえずお知らせまで。


②長寿剣士への祝意に対し多くの礼状を頂く
  去る9月15日の「敬老の日」付けで、90歳以上の高齢剣士に対し、全剣連として細やかながら祝意を表しましたが、これに対して多数の方から礼状を頂きました。


③11月の全日本剣道選手権大会の特設ホームページ開設
  すでに始められているものですが、全日本剣道選手権大会を取り上げた、特設ホームページがスタートしました。歴史的な動画も組み込んだ意欲的な内容です。11月の大会を盛り上げるための特別企画です。どうぞご一覧ください。
アドレスは http://www.kendo.or.jp/champ/index.html です。

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