全剣連は3月10日に評議員会・理事会を開催、かねて執行部で練ってきた平成21年度の事業計画・収支予算の審議を願い、承認され決定を見ました。
先月号でも触れていますが、全剣連が仕事を進める基本方針は、今年度を引き継いで変化はなく、これまで築いた実績の上に内容を充実させていきます。
繰り返しになるかと思いますが、「指導、教育を通じて、質の良い、レベルの高い剣道を育てること、剣道の普及を進め愛好者を増やす努力を進め、社会での評価も高め人造りに貢献していく」ことです。
以下主な内容について述べます。
①大会ではすでに進められているように、全日本都道府県対抗剣道優勝大会と、全国家庭婦人剣道大会を、男子・女子の都道府県対抗大会に組み替えて実施します。
いずれにも高校生・大学生に出場枠を設け励みを与えます。
男女混成となっていた都道府県対抗大会を、男子一本の総力戦とし内容の充実を図ります。
一方女子剣道の普及進展の実態を踏まえ、普及が主目的であった家庭婦人大会を、本格的な全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会として生まれ変わってもらい、女子剣道の全国的レベルアップに役立つよう育てます。
②ブラジル・サンパウロで開かれる3年ごとの世界剣道選手権大会は、国際剣連の運営に責任を持つ全剣連として、これを立派に開催する責任があり、ブラジル剣連の協力を得つつ実施に当たります。
またこの大会への参加国として、前回の台湾大会の轍を踏む事なく、立派に勝つことが必要です。全剣連は行ってきた強化活動の成果を基に、すぐれた選手団を派遣し完勝する決意です。
地球の裏側に選手団・審判・役員などを派遣することは、次年度事業計画の中での大仕事となります。
大会では審判技術の向上が課題で、決定した各国の審判41名の参集を求め、5月に成田市で講習会を行います。
③武道が中学校体育の正課で必修科目になることは、全国の剣道人を元気づけていることでしょう。
実施を前にすべての剣連の努力が必要ですが、全剣連も教育当局との連絡に遺憾なきを期しています。
差し当たり専門家の協力を得て正課の授業に役立つ手引書の作成を進めており、新年度早々『剣道授業の展開』として刊行します。
授業時間が十分でない体育正課の手引書として、全国の中学校で利用されることを期待しています。
④普及、指導者の養成は重点項目として努力します。
指導法の講習は各剣連との協力のもと進めますが、「指導法講師要員」の研修も本年に続き行います。
また社会体育指導員の養成事業は引き続き重点項目ですが、上級資格者の更新講習が始まります。
⑤称号・段位制度の運用は公正・的確に行いますが、本年度決定した、六段以上への受審資格における、60歳以上の受審者の修業年限の優遇制度が新年度より廃止されます。
また前号で取り上げていますが、級位を称号・段位審査規則の体系に整合性を持ったものにするための改正、また全剣連直営の六段以上の実技審査の方法の改善案が浮上しており、来年度後半よりの実施を目指しますがこれらは別に述べます。
⑥国が進めている新しい公益法人制度への移行について、なお期限までの時間はありますが、具体的に検討を進めていきます。公益事業としての認定、理事会・評議員会の構成・役割・定数などにつき、現行の再検討と変更を行わざるを得ないことが予想されます。これについては別の機会に解説することとします。
以上主な点について記しましたが、別掲の本文もご覧ください。 |