全国家庭婦人剣道大会を組み替えた標記大会が、各剣連代表の精鋭女子剣士を7月18日、日本武道館に迎え覇を競う熱戦を展開しました。
下馬評は高くなかった新潟県と岡山県が決勝で対戦、新潟県が良い動きで優勢と見られた岡山を下して見事優勝、優勝旗・優勝扇を獲得しました。
両県とも4月の男子の大会では1回戦敗退組です。人口の多い大都市圏を抱える剣連チームのつぶし合いはありましたが、強豪県を下しての健闘は、この大会の今後に新たな役割を期待させるものがありました。
4月の男子大会と同じく、高校生・大学生を先鋒・次鋒に据えた対戦は、初めから活気ある展開を演じてくれました。今回は試合方式変更後初めての大会であり、各剣連とも選手の選抜、訓練など準備の時間が足りなかったかと思いますが、次回以後にはもっと充実した試合が展開されることを期待し、各剣連の実力底上げに役立つ大会になることを確信します。
振り返って25回の歴史を重ねた家庭婦人剣道大会を顧みると、この大会が剣道普及と一般の理解向上に果たした役割は大きなものがありました。しかし昭和40年代の経済成長期に興隆した、ママサンバレーにあやかって始まったとみられる大会であり、歴史の浅い女子剣道の普及を表に出した、レクリエーションとして取り上げたものであったと思います。
女子剣道が盛んになった現在、全剣連の取り組みとして、この形の大会より男子と並ぶ今回のような大会に組み替えていくことは、歴史的に見ても望ましい方向と考えています。戦後遅れてスタートした女子剣道では、試合時間などで、男子と差をつけて、いわば未熟児的扱いを受けてきた面がありました。全剣連はここ数年この差別をつぎつぎと改め、男子と並んだ運営を行うようにしてきております。
本年度の改革により、大会の種目としても女子剣道が、男子と並んだ形になったことは、女子剣道の新しい発展を見据えた、改革の年としていきたいものです。
ただ内容的には改めるべき点が目に付きました。たとえば試合進行を知らせる表示やアナウンスが不十分だったことはその一つです。観客の数もこれまでの閑古鳥が鳴く状態から改善の方向にあります。主催者側としてもっと皆さんに満足して貰える運営に留意していきたいと思います。
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