55回目を迎える歴史あるこの大会、東西で選ばれた名剣士が、本年は埼玉県越谷市に集結、9月13日に対抗試合が展開されました。
試合はこの所定着した方式で、女子5名、男子35名による東西対抗の対試合で行われます。
女子の試合時間は5分ですが、本戦といえる男子の試合は10分、いずれも引き分けなしということで定着しました。
試合方法は以前は抜き試合が取り上げられた時機もありましたが、ここ20年は対勝負で定着しています。
勝負を重視すれば、抜き勝負も面白いのですが、近年は東西対抗の形を取った高段者による格調の高い剣道試合の内容を期待する大会として、一般の支持を得ているものと見ています。
その観点から試合時間を十分にし、勝負が付くまで行い、日本の剣道のレベルを示して貰う現行の方式は適当であると言えましょう。
さて12年前から行っている5名の選手による女子の部は、勝負は通算で西軍が優勢で、今年も西軍が東軍を圧倒しましたが、内容的にはレベルの高い試合が展開され、前座とされる言い方はそろそろ返上して良いかと思われました。
男子大会は、まず3組の六段戦には3名の世界大会出場者がおり、先陣として生きの良い試合を展開してくれました。ここでは東軍が西軍を圧倒しましたが、続く七段剣士では『剣窓』の予想通り、好試合を展開しつつ、西軍が勝ち越し、後半の教士八段での東軍挽回成らず、範士の試合に入る前に西軍の勝ちが決まりました。
2組の範士の試合は、迫力ある重厚な試合が展開され、大会を締めくくる、さすがに範士という内容でした。副将戦の濱﨑 滿範士と末野栄二範士の対戦が、優秀試合賞に選ばれ、東軍の大将梯 正治範士が優秀選手の表彰を受けたのは、さもありなんと共感を呼んだことと思います。
大会を顧みると、それぞれの剣士が力を発揮された玄人好みの立派な大会であったと感じました。
|