第58回の歴史を持つ年度初めのこの大会は、それぞれの剣連が力を試す機会です。特に高校生・大学生に出番を与えた男子だけの総力戦となって2年目の大会であり内容的にも期待されました。「昭和の日」の大阪市中央体育館には従来にも増す観客が集まりました。昨年は決勝戦が大阪府と京都府で争われ、兵庫県が3位に入るなど、地元勢が活躍しましたが、今回は様変わりとなりました。
まず前年優勝の大阪府が緒戦で愛知県と対戦、難敵ではありましたが、引き分け続きの展開となり、愛知県の中堅が挙げた一本勝ちの星を返すことができず、1敗6引き分けで敗退の憂き目を見ました。戦前柔道の高専大会で、1人が勝ったらあと皆が引き分け狙いで勝つのだ、と冗談混じりの話を耳にしたことがありますが、剣道大会でこんな結果が起こるとは予想しませんでした。
一方の京都府も佐賀県と対戦、点の取り合いで接戦を演じましたが、4―3と敗れ、緒戦で姿を消しました。
終始相手を寄せ付け無かったのは東京都で、準決勝戦の北海道、決勝戦の福岡県との対戦で、いずれにも勝ち星を与えず、5―0と完勝して、余裕のある2年振りの優勝を飾りました。
東京都が唯一接戦を演じたのは4回戦熊本県との対戦で、先鋒・次鋒の高校生・大学生がいずれも熊本県が勝ち、面白くなったと思いきや、このあと5名の対戦、いずれも東京都が勝って、5―2と熊本県を退けています。
こんな事で、今年は東京都が横綱相撲の形で完勝しました。次回は地元府県などの奮起を期待します。今大会、高校生・大学生の試合では、勝負にこだわっての消極的な試合ぶりが目立ち、内容的にもう一踏ん張りが欲しいと感じました。
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