事業報告に載せる文章を練るために、専門委員会が担当事項につき検討を加えることが慣例になりました。今回の報告は本年度の事業計画と共にこの手順を経てできています。今後の改善を図る上で望ましい手法であると思います。
昨年度は指導力強化の仕事を進めるために、指導委員会を独立させ、普及委員会に学校教育部会を設けました。秋から発足したこれらの組織は関係委員の努力と相俟って、本年度事業の講習の充実に着実に貢献しつつあると見ています。
ブラジルでの世界大会は順調に行うことができました。国際活動として前年度の大きな事業でした。またこの大会への参加選手の強化活動も成果を挙げ、最小限責任を果たす成績を挙げました。
強化活動としては、大会と別に若手剣士の充実を目指した、骨太剣士養成と称している選抜特別訓練講習会の強化活動が三期目に入り実績を収めつつあります。
大会関係では、全日本都道府県対抗剣道優勝大会と全国家庭婦人剣道大会を男子・女子の対抗大会に組み替え、そこに高校生・大学生剣士の出番を与えたことは、成功というべきで、観客の増加も目立ったばかりでなく、今後の都道府県剣道界の充実に貢献することになりましょう。
秋の全日本剣道選手権大会への一般の関心も高まっており、会場の入場券が完売、札止めになったことは関係者を元気づけています。
一方大会の充実に対応する審判技術の水準向上については、講師要員の育成、講習会の効果的実施と相俟って向上が図られました。
称号・段位審査の適切な運営は、剣道の文化面での価値を左右する重要な要素であり、審査員の行う審査内容の向上を図るため、審査の結果を解析して情報の提供を進めています。
規則関係では受審に際して60歳以上の受審者に認めていた、修業年限を半分にする優遇措置を廃止しました。また長年手を付けていなかった級位の審査規則を改定し、称号・段位審査規則の一環として位置付けました。この運用についは従来通り地方剣連に任せており、審査の際「木刀による剣道基本技稽古法」を取り入れることを要請しています。
社会体育指導員養成事業は発足以来14年を経て、上級認定者の更新講習を行う段階に至り、初級認定者も6千名に近付き、各地の現場の指導力の充実に貢献していると確信します。また剣道を専攻した学生の資格取得を容易ならしめるための特別講習会を試行し、事業として拡大することとしています。
居合道・杖道ではそれぞれ事業の運営と内容の向上を進めました。
医・科学関係では、主要大会でのドーピング検査を行いましたが、全般的な安全対策を進めました。
情報関係ではホームページの充実を進めましたが、とくに選手権大会において即時性を高めた画像の提供を行い好評を得ました。
長期構想の検討では、公益法人制度改革に対応する全剣連の在り方の検討を進めました。
以上主要事業につき概要を取り上げましたが、全般的に見た成果として着実に前進が見られると締めくくらせて頂きます。
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