大阪市中央体育館で開催された、新年度初頭の歴史あるこの大会は、高校生・大学生を加え、男子だけの大会となって3年目、今年は残念ながら東北の3県の姿を見ることができませんでしたが、44都道府県で優勝を争う熱戦が展開されました。
この大会の過去58回の優勝を振り返ります。関西で始まり長らく開催地となっている大阪府が強く、これまで15回の優勝を飾り、東京都が10回と、両者で半数に迫っています。続くのは九州勢で福岡県5回、鹿児島県・熊本県4回と、いずれも剣道人が多い地域であり、さらに人口の少ない県でありながら、第31回大会から3連覇を果たした宮崎県の記録も光ります。
3回組ではこのほか北海道・埼玉県・岡山県、2回優勝は兵庫・愛知・大分の3県、新潟・栃木の2県が1回と続きます。以上総括すれば優勝経験があるのは大阪府・東京都のほか、12道県であり、層の厚い九州5県の18優勝は頷ける成績です。
この中、本年大会で優勝候補をつぎつぎと倒し、6試合を勝ち抜いて昭和51年以来の優勝を飾った大分県の奮戦は、大会史に光彩を放ったものでした。第1回戦秋田県を制した後、有力チームである難敵京都府と対戦しました。先鋒が勝ち、次鋒学生の三雲が敗れたあと引き分けが続いて、同点のまま大将同士の決戦になりましたが、大将笠谷が石川を制して3回戦に進み、前年優勝で今回も最有力と見られていた東京都と対戦しました。この試合先鋒から大将までの7試合が全部引き分けるという珍しい経過で、大将同志の代表戦になりましたが、ここで大分笠谷が、東京の林をメンで下し、大きな1勝を上げました。
その後大分県チームは、千葉県・大阪府を前陣から押しまくって、決勝戦に進み福岡県と対戦、先鋒・次鋒が勝った勢いで、三将で優勝を決めました。
この大会、年齢・職業を組み合わせた選手構成で行いますが、第46回大会から前陣に女子2名を加え、また前々回大会より、女子の代わりに、高校生・大学生を加えた男子大会に改めています。この構成の変化に対応して総合力が微妙に変化します。今回の大分県チームは充実した前陣の活躍が力になったことは否めません。人口の少ない県も優勝のチャンスが出てくることになります。
次回は全都道府県参加のもと、第60回大会を持ちたいものです。
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