①東日本大震災により剣道界も被害
剣道関係者も有形無形の被害を受けました。亡くなられた方のご冥福を祈り、被害を受けられた方にはお見舞い申し上げ、ご回復を念じます。次項の義援金のほか、各種の復興への援助活動が被害地に対し行われていることは心強く思います。
②全国からの見舞金を被災地に贈呈
巻頭にも記しましたが、各界から多くの見舞い金が寄せられ、感謝に堪えません。韓国からのご寄付も頂き、併せて3千万円を越す金額を被災の各県剣連を通じて贈呈させて頂きました。
③全日本剣道選手権大会で高鍋選手連続優勝を飾る
日本武道館で行われた第59回標記大会において、前回優勝者高鍋 進(神奈川県)は決勝戦で、東永幸浩(埼玉県)を破って見事連続優勝を果たしました。これは同じく神奈川県で師となっている宮崎正裕八段が12年前に、2度目の連続優勝を行って以来の2人目の快挙です。この大会入場者過去最多を記録し、また用意したメディアを通じての観戦者も多く、関心の高まりを感じました。
④全日本女子剣道選手権大会で村山選手が5度目の優勝の偉業達成
静岡県藤枝市より6年ぶりに移って9月25日に兵庫県姫路市で開催された標記大会で、村山千夏(埼玉県)が前人未踏の5回目の優勝を飾りました。前記大会と同じく、前年優勝者も予選から出場しての優勝でした。
⑤新しい法人体制をまとめて一般財団法人への変更を申請
国の方針で進められている法人改革に対応しての体制作りを検討してきましたが、差し当たり一般財団法人として進むことを決め、定款案を決定し政府に申請しました。本年度中に認可が下り、新体制の下、発足できるものと予想しています。新しい法人の人事体制も決められ、現行の体制を引き継ぐことが内定しています。
⑥初段受審資格を満13歳に変更
初段受審資格は、現行中学校2年からとなっていますが、年齢的に受審者間に1年の差ができ、合理的といえません。国際的にも理解しにくい基準であるため、制度として明確になるよう、満13歳と改めました。結果的に平均半年の年齢引き下げになりますが、現状からして適当であると見られ、ある程度の論議もありましたが、本年度より実施することになりました。
⑦3年振りの外国人夏期講習会開催
2年前のブラジルでの世界剣道選手権大会、昨年の北京でのスポーツアコード武術大会の開催に備えて、それぞれ審判員講習を優先したため、一般を対象とした、いわゆるサマーセミナーと呼ばれていた外国人講習会は見送られました。今回は3年振りに、北本市解脱研修センターで開催。各国からの受講希望者が多く、36カ国・地域から55名に絞って、第36回講習会を7月29日(金)より1週間の日程で行い、効果を収めました。
⑧英文による教士筆記試験を実施
英文による『剣道指導要領』が完成したのに伴い、かねて要望が高かった英語による教士筆記試験を実施することになりました。一般の筆記試験と同じ、11月12日(土)に、日本語によるものとほぼ同じ問題で行いました。すでに錬士を取得していることが受審資格になりますが、結局8名が受審し、7名が合格しました。近年称号取得への関心が海外でも高まっており、今後も継続していく方針です。
⑨主催大会順調に行われる
4月の全日本都道府県対抗剣道優勝大会は大分県が35年ぶりに優勝。7月の全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会は佐賀県が初優勝。山形県上山市での全日本東西対抗剣道大会は東軍八段陣がボロ負けで西軍が逆転優勝。国体剣道大会は例の如く、地元山口県が優勝。松山で行われた全日本居合道大会はやはり地元の愛媛県が、七・六・五段とも優勝を飾りました。
⑩選抜特別訓練講習会第四期に入る
かねて若手剣士の強化のために、試合のための強化ということでなく、地力のある剣士を養成するための訓練計画を2年を一期として行ってきました。この計画の特色は、試合の訓練を一切行わず、もっぱら地力の強化を目指した訓練を行うもので、骨太剣士の養成計画といわれます。開始以来すでに三期の訓練を終え、本年度は第四期に入り、25歳までの66名の訓練生を選び、年内2回の講習を行いました。三期までの終了者も順調に成長しています。
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